令和のSWEET SOUL MUSIC

何年か前に小説の芥川賞に選ばれた作品にコンビニでアルバイトしているストーリーのものがありました。読んではいないのですがテーマとすればすごく面白いなと感心したことを思い出し、今回ここに取り上げようかなと思いました。

やはり今の時代の最先端はコンビニの店員ではないかなとずっと思ってまして、特に最近はどこのコンビニに入っても外国人の店員さんが流暢(りゅうちょう)な日本語を操(あやつ)ってまるで日本人のように対応してくれる姿に出くわすと、ここが一体どこなのか一瞬わからなくなるくらいです。

公共料金の支払いには素早く対応してくれますし、領収書をくれと言うとちゃんとレシートとは別の領収書にハンコを押して渡してくれます。切手をくれと言うと82円のでいいですか?と確認され、なんとかのタバコ2箱とか頼むと50種類くらいあるタバコの棚の中から迷わずすぐに取り出して来てくれます。最後はポイントカードを両手で持って返してきて、”ありがとうございました~。”と多少イントネーションがずれた日本語で挨拶されますが悪い気持ちはしない。(笑)

日本人でもなかなか覚えられないような雑用をすべて覚えてるかの感じで、この人たちスーパーマンかと思ってしまうのは私だけでしょうか?

たぶんこの外国人の人たち、みっちりとお客の接待の仕方を教え込まれお店に派遣されてくるのでしょうが、それにしてもすごい人たちだ。外国語をこれだけ話せて、しかも様々な雑用もこなしてしまう、その国特有の習慣だとかもあるだろうに・・・、それを乗り越えてコンビニのレジに立つわけです。この人たちにとってみれば日本人はみんな外国人なんだろうし、ホームシックにかかって一人アパートで泣いたりする夜もあるのだろうなと思うと大したものだと感心するのです。

やっぱりアウェイで闘ってる人たちをみると人種関係なくつい応援したくなってしまいます。この若者たちが将来自分の国に帰って、日本でのコンビニ経験を活かして活躍するのだろうなと思うと大河ドラマを見ているようでロマンを感じちゃうのは言い過ぎでしょうね。(笑)

こんな外国の彼氏や彼女と一緒に働いてみようかなと私特有の一抹(いちまつ)のあぶない考えが一瞬頭をよぎったりするのですが、自分の能力じゃ絶対に無理と思いとどまっております。めっそうもございません。

そんなコンビニエンスストアですが、最近気づいたのはレジに並ぶお客さんの列の横の棚にはだいたい流行りのスイーツが置かれてあるということです。一番大手のコンビニチェーン店が先日近くにオープンしたので行ってみたところどうも寂し気に感じて、その原因がなんだろう?と思い起こすとスイーツがお店の端(はし)っこに置いてあって目立たないのです。レジに並ぶお客の目に入るところに並べないと駄目だ!と、このお店の店長さんでもないのに思ってしまったのでした。

賑(にぎ)わっているコンビニに入るとなんだかチョコレートの匂いが微(かす)かに漂ってきてついレジの前で余計にスイーツを手に取ってしまうのですが、この匂いも絶対にコンビニ側で計算していると思ってます。コンビニで働く外国人からスイーツの話になっちゃいました。(笑)

昔、学生の頃、RCサクセションの「スイートソウルミュージック」という曲があってよく口ずさんでいました。”SWEET SOUL MUSIC ベッドにしみこんでる お前の匂い(チャ、チャ、チャ、チャ)他の女とは区別がつくさ~”と。ところがある日、それを聴いた同級生に”ベッドにしみこんでるわけないだろ、シーツだ、シーツ。そんなエロい歌詞に勝手に解釈するな!”と突っ込まれた思い出があります。

スイーツが端(はし)っこに置いてあったコンビニでお酒を買ったついでに余計なスイーツも買い込んでしまった帰り道、夜空の下でこの「スイートソウルミュージック」を不思議と口ずさんでました。

”SWEET SOUL MUSIC ♪”

この唄を今夜もがんばる”ありがとうございました~。”と多少イントネーションがずれた日本語で話すコンビニで働いている夢多き外国人のみなさんに捧げたいと思います。

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