擬声語ソング「戻るべき処(ところ)」

最近は自分の音楽と関係のない話が続いたりしましたので、今回は私の曲の中で特に他の人にはない特徴(とくちょう)のある曲を紹介してみようと思います。

「戻るべき処(ところ)」というタイトルの曲で、跳ねたリズムのシャッフルナンバーです。内容は1コーラス目が今で言うクラブで踊り狂ったあとの帰り道で、2コーラス目が赤ちょうちんで同僚と酒を飲んだ後の家への帰り道、そして3コーラス目が仕事が終わらず終電を逃してしまい朝の始発で電車に乗っている状態での帰り道という設定になっていまして、最後は自宅に戻って”ただいま~。”と玄関を開けたところで終わりになっています。

その家への帰り道で、主人公はイヌやネコの鳴き声や電車の音に励まされるのです。”家には心配そうにオマエを待っている家族がいるよ。余計な寄り道しないで早く帰るんだ。オマエが一番よくわかってるはずだろ~”と。

そこで、この曲独特の擬声語というものを敢えて使っていまして、夜道に番犬の子イヌが”ワン!ワン!”吠えたり、道端の野良ネコが”ニャ~~”と鳴いたり、電車の”ダダン、ダダ、ダダン・・・”といった線路を走る機械的な音が妙に眠気を誘ったりして(笑)ようやく主人公は家に帰るのでした。

こうした擬声語を歌詞の中に入れた曲というのは私自身あまり聴いたことがないというか、ほとんど聴いた試しがなかったのでおもしろいかなと思い今回紹介してみました。

唄というのは基本、音で構成されているので擬声語なんか使う必要はないし、第一言語によってその擬声語もまちまち、例えば日本語だとイヌの鳴き声は”ワンワン”ですが英語だと” バウワウ bow-wow”だし、フランス語だと ウワウワ ouâ-ouâ”、ロシア語では”ガフガフ gav-gav ”と言うらしくて、何が正解かわからないというか、動物の鳴き声をわざわざ人間の言葉に換えるなという感覚なのだと思いますが、人間というのは不思議な生き物で何の音でも言葉に置き換えちゃうんですよね。(笑)

そこを私は敢えてこの曲の中に異物を入れるような形で取り入れてみました。音楽的には実は伏線があって、この”ワン!ワン!”や”ニャ~!ニャ~!”の擬声語部分だけは難しい話ですがスケール的にリディアンで動いてまして、他の部分はすべて普通のダイアトニック進行になっています。ですのでこの部分だけが妙に変に聞こえるのでワザと擬声語を入れたのでした。

むずかしい話になってしまいましたけど、音楽的な話は置いといてこの擬声語連発の「戻るべき処」聴いてみませんか?世の中こんな曲あまりないと思いますよ。赤ちょうちんで飲んだ帰り道に聴いてみてはいかがでしょうか?

次の朝、ニワトリが”コケコッコー!!”じゃなくて”クックドゥードゥルドゥー!!”と鳴いて目が覚めるかもしれません。

そこの旦那さん。深酒し過ぎです。(笑)音楽配信

戻るべき処ライブ