ワンコ ニャンコ インコ-クラーベのリズム-

「ワンコ ニャンコ インコ」という自分の唄がある。内容はペットの曲だ。(笑)ペットを題材にした歌というのは世の中にあるのだろうか?何でも唄にしていいと思っているのでこんな唄もあっていいだろう。

私の子供の頃は猫のことを”ニャンコ”とは言っていたが、犬を”ワンコ”と言いだしたのは結構ここ最近で、(最近と言ってもここ20~30年くらいのことで最近では無いのかもしれないが・・・。)(笑)犬を”ワンコ”と言い始めた頃からなんだか世の中のペットの見方が変わって来たような気がする。

昔は、犬は防犯用で家の番犬として飼われていたが、”ワンコ”と言われ始めてからは家族の一員として生活の喜怒哀楽(きどあいらく)を共(とも)にする人間の仲間に格上げされたと思っている。ペットが核家族の一員として認知されたのだ。”ワンコ”はその象徴の言葉だと思っている。

しかしながら人間はみんな”ワンコ”好きなわけではなく”ニャンコ”好きの人もいて、最近はどうやらネコ派が多少優勢らしい。前に住んでいた家では縁側がネコの通り道になっていて飯(めし)を喰ってると窓から顔をひょっこり出して恨めしそうにするので、家族が近所の人から餌(えさ)を与えるなと注意されているにもかかわらず隠れてあげていたものだった。

いつも我が家をのぞきに来るネコは三匹いて、三毛猫は”ミーちゃん”と名付けられ、白い方は”チャーミー”、そして”ミーちゃん”の子供はなぜだか”夏目ちゃん”という名前が付いていた。ネーミングが笑ってしまうのだが実は我が家の家族はニャンコよりもワンコが好きなのだ。イヌ派なのである。その割にはイヌを実際に飼っているわけではなくて、本当はインコを飼っていたのだった。(笑)

家でインコを放し飼いにするのだ。ペットを飼った経験が無かった私は、ギターを弾いていると腕に乗っかってきてくちばしでつつかれたりして最初はうるさくて仕方がなかったのだが、慣れて来るとなんとなく情も移ってきたりして可愛くもあるのかなと思ったりもするようになった。特に前の家に引っ越して来た矢先に可愛がっていたインコをその可愛がっていた家族本人が踏みつけてしまい死なせてしまった時には、もういたたまれなくなってしまいこの世の地獄を見た感じで、(笑)泣きわめく家族をいさめて夜近所の公園のベンチ横に死骸を埋めに行ったこともあった。その時の公園の池の幻想的な夜の風景は未だに覚えている。確かにインコも家族だったのだ。

このように子供の頃には経験したことのないペット愛というのもありかなと思うようになり、その頃思いついた曲が「ワンコ ニャンコ インコ」なのである。思いついたのは良かったのだが、リズムがわからなくてほったらかしにしてあったものをまとめて今回「月」という作品7曲目に入れた。

わからなかった正体がわかったのである。この曲のリズムはクラーベというリズムを採り入れている。クラーベとはどんなものかというとキューバなどで演奏されるラテン音楽の一種のリズムパターンでスペイン語の「鍵」を意味するという。

この2つのリズムがもっとも基本のクラーベになっていて、クラーベの特長は(3-2)のリズムも(2-3)リズムも小節を前後逆にしただけでどちらも同じものだということだ。わかった風な顔をして私も語っているが受け売りで、何年か前に教育TVのピアノ講座でやっていたものをたまたま見ていて、そうか!このリズム「ワンコ ニャンコ インコ」のリズムだ!と気づいたのであった。(笑)

そういえば我が家にインコがいる頃、よく「ブエナビスタソシアルクラブ」を聴いていた。その影響を無意識の内に受けているのだろう。「ブエナビスタソシアルクラブ」と言えばキューバのミュージシャンで結成され世界で何億枚もCDを売ったバンドで、今も活動を続けているのだろうか?詳しくはよくはわからないがメインの男性ボーカルのイブラヒム・フェレールは先日亡くなったと新聞に出てた気がする。先日というかもう何年も前なのかもしれない。(笑)女性ボーカルのオマーラ・オルトゥンドはキューバの美空ひばりと言われていてこちらも素晴らしく魅力的な歌手なので「ブエナビスタソシアルクラブ」を知らない方は一度聴いてみたらいかがだろう?日本にも何度も来ていると思う。

クラーベのリズムも上の譜面を無断で拝借(はいしゃく)するのは申し訳ないので、興味のある方は http://circle.musictheory.jp/?p=6888 こちらをどうぞ!!

音楽配信中。 「月」7曲目 気に入ったらお買い上げ下さい。

リズム無し、ギター弾き語り”ワンコ ニャンコ インコ”