楽しき熱帯

目がじくじくする。本日、日曜昼間。井の頭公園に唄いに行こうと思っていたが、膝(ひざ)が痛くてやめた。天気は良いのだが、多少寒い。冬支度。最近はずっと自分の音楽のことばかり書いて来たが、たまには話題を変えてみよう。今回は久しぶりに本の話でもしてみようか?

もう最近は目がじくじくして本を読むのにも一苦労してしまう。30分ほど読んでると、だんだん文字がぼやけて来て四苦八苦してしまうのであった。腕を伸ばして本をグッと遠目にするとなんとか読めるようになるのである。完全な老眼(ろうがん)だと思っていて、眼医者からも読書用の眼鏡を買いなさいと勧められたのだが、いまだに買ってない。

そのせいか、だんだん読書のペースが落ちて来ている気がするが、気にしないようにしている。だって歳なのだから仕方が無いのである。自分の主義として無理に若作りしても仕方がないと思っているので、年相応に生きて行くのが自分にとって自然体なのだ。

話がそれてしまいそうなので戻そう。最近、何を読んでいるかと言えば、もうほとんど日本の小説などは読まなくなっていて、翻訳された海外の本を読んでいたりする。なんだか日本の本だと、日本人の価値観のようなものが知らない内ににじみ出て来ているように感じて、その価値観を押し付けられているような気がして、つい向こうの本を本屋で手に取ってしまうのだ。

脳に障害を持つ障害者が、実験で障害が無くなり、健常者以上に天才になってしまうのだが、結局はまた障害者に戻って行ってしまうというSFの『アルジャーノンに花束を』や、黒人女性作家トニー・モリソンの『青い眼がほしい』なんかを読んだりして、最近はフランスの民俗学者レヴィ・ストロースさんの『悲しき熱帯』を読んでいる。『悲しき熱帯』はⅠとⅡがあり、Ⅰがあまりに面白いので、Ⅱを先週の日曜日にすかさず本屋で買ってきて読んでいるのだが、目が痛くて、なかなか前に進まない。笑

この本の中身というのは、レヴィさんが若い頃赴いたブラジル奥地の原住民たちの生活様式を民俗学的に分析したもので、なぜこの本を買ったかというと、この本の結論がそうした原住民の人達の生活様式の分析を通して、人類が滅びてしまう可能性があるということを示唆しているらしいと新聞の夕刊の名著書評に書いてあったからだ。

人類滅亡!

自分の人生を音楽を通してでしか暮らして来なかった人間にとって、人類が滅亡したら自分のこの素晴らしい音楽を聴いてくれる人が誰もいなくなるではないか!いままでそんな聴いてくれる人達も大していなかったのだが、笑 まったくいなくなるということは想像したことがなかったのである。地球上でこれだけ繁栄(はんえい)を誇る人類が、滅亡することなんかはありえないだろう!と、自分は無意識の内に思って来たし、私だけでなく人間誰もが思って来たはずだ。なにせ人類の文明には何千年の歴史があるではないか!そんな人類の歴史が消えてしまうことはないはずだ~!と思うのだが、この本の結論は人類は滅びてしまうのである。

ふむふむ、、、この本を読み進めるうちに、このレヴィさんとても頭のよい人らしくいろいろな書物も読んでいたりして、かなりの切れ者だ。自分はダーウィンの『種の起源』を読んだこともあって、そこには地球には何十億の歴史があって、その歴史の中では、現在の人類が知らない数知れない種が滅亡してきたと書いてあった気がする。レヴィさんもダーウィンとか読んでいたりするのでなかろうか?民俗学者なら当然か?確かに恐竜は絶滅している。化石は残っているが・・・。

最近の地球温暖化のニュースを聞いたりすると、あながち人類滅亡というのは現実味を帯びている気がしないでも無いのである。ただ、ダーウィンの本には地球は長い目で見たら現在は寒冷化に向かっていると書いてあった気もするのだが・・・、その証拠がヨーロッパのアルプス山脈とアメリカ大陸のアンデス山脈にある高山植物が共通でとか、どうのこうので・・・、頭の悪い自分にはよくわからん!となってしまうのであった。笑

とにかく、人類が滅亡する可能性は無い!と100%断言は誰もできないわけであるからして、それは人類が滅亡する可能性はある!ということなのだ。くわばら。くわばら。

目がじくじくして、この本の結末にたどり着くにはまだ当面、時間がかかりそうだが、どのようにこの結論にたどり着くのだろう?そのロジック(論理、論法)を楽しみたい。本日はここまで。

天気が良いので中野に散歩に行こう!

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