蕎麦(そば)打ち

台風がこれから来るという。蒸し暑い。二日続けて外で手打ち蕎麦(そば)を食べてしまった。高価だが美味い。食べたあとにガラス越しに蕎麦打ちの実演をやっていたので蕎麦湯を飲みながら20分ばかり眺めて来た。

テレビで見たことはあるのだが実際まじまじと見るのは初めてで、蕎麦打ちというかすでに蕎麦は打ってあってその(かたまり)を伸ばすところからの作業だった。

両手でぐにょぐにょ伸ばしはじめて、それから木の棒をつかって白い粉をまきながら広げていき、最後包丁で千切りしていく過程だった。作業していたのはそのお店の店主ではなくたぶんお弟子さんだと思われる若い男の子で、私にじっと見られているにも関わらず気にすることなく黙々と蕎麦を切っていた。この千切りにした蕎麦を先ほど私が食べたのだなと思うと不思議にこのお弟子さんにも愛着が湧いてくる。

食べてるだけだとそのありがたみがわからないが、その過程を見せられることによっていかに蕎麦を切るだけでも時間をかけて細心の注意を払っているのかわかったりするので、こうした実演はすごく良いことのような気がする。蕎麦屋だけでなく違う分野でのお店さんでも最近はその制作過程をお客さんに見てもらうところが増えているように思う。

この若い男の子はいつからこの蕎麦屋に入って蕎麦打ちを始めたのだろう?蕎麦職人になろうと思ったのは何歳の時なのか?周りはみんなスポーツ選手になりたいとか芸人になりたいとかがほとんどだと思うのに、どうして蕎麦職人だったのか?

彼の所作を見ながらぼんやりと想像してみた。若い子特有の飾りっ気が余り無さそうで所作がとても綺麗だったからだ。実際はこの蕎麦屋の息子さんなのかもしれない。あるいは別の蕎麦屋さんのお子さんでこのお店に修行で丁稚(でっち)に来ているのかもしれない。

台風前の日曜日午後、冷房もかけずに扇風機だけでこのブログを書いている。まだ早いが風呂に入ってビールでも飲もう。

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