懸垂(けんすい)男

今日は何日かぶりに雨が降った。多少涼しくなったので、冷房ではなく扇風機をかけている。しかしながら、この湿気はなんだ?9月に入ったのに、まるで梅雨のようだ。気にせず話を続けよう。

先日、朝。寝起きにカーテンを開くと、道路の向かいの家のガレージがみえるのだが、そのガレージの出っ張った屋根のところで男が懸垂(けんすい)していた。現実に目を疑ったのだが、寝起きの頭を冷静に整理し、そういえば昨日もここで何かやっていて、私が家の玄関から出ると、そこにいて、なんだか怪しいなと思い、怪訝な顔つきで男をにらむと、向こうに消えた、その男ではないか!

「あなた、そこで何やってるんだ!」と窓越しに訊くと、「散歩!」と答えてくる。散歩の途中で懸垂(けんすい)をやるとは、なかなかふてぶてしい奴だと思い、「あなた、どこの奴なんだ?」と、さらに訊くと、「そこの中国語学校の生徒。」と言い、「バイ、バイ!」と言って去っていった。

さらに次の日、朝の散歩から帰って来ると、またしても同じ場所で、その男がガレージの屋根で懸垂している・・・。「オマエ、そこで何やってるんだ!?そこで懸垂するんであれば、その家の者に断ってからやりな!」と注意すると、黙ってその場から立ち去ったのだが、私が家に引っ込んだ隙に、戻ってきて、同じ場所で懸垂(けんすい)していたらしい。後で家族から聞いた。

さらに次の日、散歩から帰って来ると、その男が向こうからやってきて、一瞬殴られるかな?と恐れたのだが、「おはようございます。」と挨拶されて、別方向に去っていった。ほっとして、いつも通り朝顔に水をやって家に入ったのだが、その後、男は戻ってきて、やはり向かいの家のガレージの屋根で懸垂(けんすい)していたとのこと。家族から聞いた。

さらに次の日、散歩から帰ってくると、男はいて、懸垂している、家族のように見て見ぬふりはできないので、「だから、そこで懸垂(けんすい)するのなら、この家の者に断ってやりな。」と注意すると、男はなにも語らず、私に軽く会釈(えしゃく)して、その場を立ち去って行った。

もうここまで来ると、私も後に引けないので、向かいの家のピンポンを押し、奥さんに、これこれしかじか、懸垂(けんすい)男がこんなことしてるんですよ!と説明し、奥さんはもう仰天(ぎょうてん)するだろうと想像していたのだが、なんてことはない、奥さんも、もうこの懸垂(けんすい)男の行状を知っていて、「そうなんです、、、どうしようかと思っちゃって、怖そうなんで声かけづらくて、、、けど、悪い人にも見えないし、そうですか、中国の人なんですか、、、日中友好の懸け橋ということもありますし・・・とか、なんとか呑気(のんき)なことを言っている始末、ともあれ、この懸垂(けんすい)男の行状を報告したということで、私の隣人としての責務は果たした、これ以降この件について、自分は関知しないと決心したのであった。

翌日は軽い雨だった。懸垂(けんすい)男は、雨の中、傘をさして、懸垂(けんすい)していたらしい。家族から聞いた。。。家族もそんな目の前で懸垂(けんすい)している姿を見て見ぬふりをするのではなく、注意するなりしたらいいではないか!見て見ぬふりをしている方が、よほど不自然だ!と夕飯時に軽く愚痴ると、「このテーブル(いわゆる、ちゃぶ台のこと)ひっくり返していいですか???」と反旗(はんき)を翻(ひるがえ)してくる。久しぶりに、ちゃぶ台返しをしようというのか、この野郎!上等じゃねぇか!という気持ちが沸き上がるも、ぐっと心にしまい込み、食卓を離れ、一人チビチビ酒を飲むのであった。

家族が言うには、この懸垂(けんすい)男は、翌日、向かいの奥さんに注意されたとのことで、姿を現していない。

ほっとしていいのだろうか?なんだかさみしい気もするし・・。中国では、どこの家の屋根で懸垂(けんすい)していたんだろう?周りがみんな親戚の家ばかりで、そんな小さいことを気にするような世界じゃなかったのかもしれない。行ったことはないが、なにせ大陸は広そうだからな。。。そういえば、1年前の夏も、奥のアパートに引っ越してきたインド人も、変わっていたよな。。。アパートの玄関前で大の字になってぶっ倒れていたりもしたし、スマホで何語かまったくわからない言葉を大声で話してた。いつの間にかいなくなっちゃった。インドも広そうだからな・・・。

雨が降ったせいか、窓から差し込む夕焼けの日差しが、湿気と絡んでなんだかやさしい。自分の心も今日の夕焼けのようにやさしくありたい。懸垂(けんすい)男くんは、大陸でどんな夕焼けをみてきたのだろうか?きっとおおらかな夕焼けなんだろう。

ごめんね、懸垂(けんすい)男くん。

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ビジュアリスト

前回、前々回と画像を入れずにこのブログをアップした。ここ何ヶ月かアイキャッチ画像を添えて投稿していたのだが、内容に合うイメージ画像が無かったからだ。実はこのアイキャッチ画像、自分で撮ったものでも何でもなくて、ネット上から探して来たものなのである。写真ACというサイトに会員登録してあって、1日3枚か4枚ほど、アンケートに答えれば無料でダウンロードできるようになっている。

このブログを書いた後に、適当にこの写真ACで検索して、著作権みたいなものも無いみたいなので、気に入ったものがあれば使うようにしている。画質は綺麗で、自分でスマホで撮ったものとは違い、結構照明とか使って撮影したのではなかろうかという写真ばかりで、こうした画像を好きに使ってくださいということなので便利な時代だ。

ユーチューブを始めた頃は、このようなサイトがあるなんて気づかなくて、グーグルの画像検索で調べて出て来たものの中で曲とイメージが合ってそうな画像を勝手にダウンロードして使っていたのである。今から思えば犯罪だ。いまだにユーチューブ上にアップされているのだが、そんな見てくれる人もいないので問題にもならないのかもしれない。

自分とすれば他人(ひと)の目を盗んで、悪意の上でダウンロードしたつもりはまったく無くて、ウエブ上に溢れている画像をダウンロードしてみると、簡単にできてしまうので、このおこないがその人の著作権を侵害するものだとは思ってもみなかったのだが、よくよく考えると自分だってオリジナルの曲を無断で使われると、気分はよろしくないはずだろうし、下手なことをやってしまったなと今では思っている。

しかしながら、ここ何年かは自分でホームページを運営するようになり、いかに他人(ひと)から見て貰えるようにすることが難しいかは、身に染みてわかっていて、一番気を引くのに手っ取り早いのがビジュアルなのである。ビジュアルがよろしくないと誰も振り向いてくれない。ブログだっていかに面白いことを書いても見向きもされない。そんな思いから最近は、このブログの頭に他人(ひと)様が撮った、いわゆる綺麗な画像を入れてアップしているのであった。

ユーチューブの動画の方も実は、少し研究していて、一番最初の頃アップしていたのはただスマホでライブを撮影した、視点がひとつになっているもので、それでは余りにも単純なので動画の途中に別のカットを挿入なんかしだしたりして、それでもどうも物足りないと思い、使わなくなったスマホも一緒にライブに持っていき、スマホ2つで同時に撮影し、唄に合わせる形で画面を差し替えるように組み合わせてみたりもしたのだが、まだどこか他人(ひと)の動画とは違う?なんだか素人くさい。ずっとこう思っていて、ようやく最近、気づいたのがトランジションという機能なのである。

トランジションとは何かと言うと、カットとカットをつなぎ合わせたりする時に使う、ぼやかして重ねたりする効果で、こんな機能があったんだと先日はじめて知ったのであった。笑 それで、よし!この機能を使ってあらためてアップしてあった動画のバージョン2をあらためて作ってみたところ、意外にイケている、素人ぽさが消えているではないか!我ながらそう思えてしまったのであった。笑

このように、最近はビジュアルを気にするようにしているのだが、自分の根本(こんぽん)は着の身着のままなのである。性格の根っこがビジュアル何てどうでもいいと思っていて、ブログをアップするのが久しぶりになった、ここ2,3回、もう洒落た画像なんてつけるの面倒くさいと思ってしまい、アップするのを止めたのだ。

たまに空に綺麗な夕焼けが出ていたりすると、街中でその光景をスマホで撮っていたりする人を見かけたりもするのだが、自分はスマホで写真を撮るということはめったにしないと言おうか、よし撮影するぞ!という気分にならないと行動をおこしたりはしなくて、その綺麗な夕焼けをただ眺めているだけなのである。自分にとって綺麗な夕焼けと撮影された画像は違うものなのだ。

綺麗だと思った現実の光景と、写真や映画は違う。写真や映画はあくまでも人間が作った人工的なもので、自然とは違うのだ。写真や映画は、あるいは画(え)やファッションや音楽もそうなのかもしれないが、その綺麗と言うビジュアル的な価値観は時代と共に変わると言おうか、そんな不確かなものは無い、そんなのどうでもいいと自分はつい思ってしまうのである。

ただ、こんなことばかり言っていても世の中、誰も相手にしてくれないので、ビジュアルに関しては気をつけないといけない。自分とすれば、

世の中どうなろうと知ったことじゃないよ。流行りを追うのも疲れる、青空見ていたい。誰にも邪魔されずに眺めていたい。

と言う、単純な気分があるだけなのに。笑 自分の「たまご」という曲の歌詞の一部。

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