荒野(こうや)

窓から暖かい日差しが差し込む休日午後、お昼にカレーを食べたあとコタツでウトウトしてしまった。何をすることもなくパソコンに向かっている。先日、井の頭公園の事務局からメールが来ていた。井の頭公園での路上パフォーマンスを来年度に繰り越すかどうか返事をくれとのことで、一応繰り越しますと送っておいた。

コロナ・パンデミックも日本では多少おさまって来たので、巷(ちまた)ではライブパフォーマンスをはじめエンタメ業界も徐々に前のように動き始めている感じが肌触りでわかる。

井の頭公園の路上パフォーマンスも先月から再開されて、常連の大道芸の人達なんかはもう毎週のようにやっているみたいなのだが、なにせ自分は歌唄いなので声と共に内臓から菌を吐き出すのでまだ自重(じちょう)気味である。今、大声で公園で唄うとどこからか石が飛んで来そうで怖い。(笑)それで来年度に繰り越すことを決めたのだ。

コロナ前まで、毎月定期的にやっていたライブもまだ再開していない。街を歩くと結構ギターケースを背負って歩くおにいさん、おねえさん達を見かけたりもするのだが、まだ自分とすればそんな気になれない。フェイスシールドまでして唄いたくない。(笑)やるからには何か、以前とは違う動機が必要な気がする。

前は儲かりもしないのに、ただ単に希望的観測の上で唄ってばかりいた。考えたつもりでいたが、周りの人たちと同じように流されて自己満足で唄っていただけだ。どうせ客がいないというあきらめの感じが心のどこかにあって、それをずっと変えようとしてきた。しかし方法が見つからない。一番、簡単なのは流行(はや)りに乗ることなのだけれど、流行っているということはそれだけ人もそこに集まるので自然と競争率が高くなり、私のような何の経歴をもっていない人間は真っ先にはじき飛ばされてしまう。

自分が今後進むべき道はどこなのか?道と言ったって、そもそも道なんてどこにもないじゃないか!誰か先人が通ったであろう轍(わだち)すらないだろう!と思ってしまうのである。そう思うとなんだか心が荒(すさ)むと言おうか、見ている周りの風景が荒野(こうや)に感じられたりもするのだが、もともと荒野の中を誰に何を言われようと一人で進んで来たじゃないか!という思いもあって、チクショー、なにかいいアイデアがないかと考えるのだが、現実はいいアイデアなんて一向(いっこう)に無いのである。(笑)

現実はひとつ、ひとつの地味(じみ)な作業の積み重ねしかないのだろう。誰かが自分を見定めてくれるなんてことは無いのである。他人(ひと)を振り向かせる力(ちから)が欲しい。その力(ちから)とは、やはり自分にとっては不思議と音楽なのだ。

毎月1曲ずつ、spotifyなどでストリーミング音楽配信してみようかと考えていたりもしたのだが、やめた。(笑)自分の音楽は、ちょっと気にくわなければ、ポンと曲を飛ばして次の曲に行ってしまえる、そんな今風のストリーミングサービスには合わない。やはり最初、”なんじゃこれは!?”というような感覚なり、違和感を感じたりして、徐々にその曲なり、そのミュージシャンを好きになって行くという聴き方をしてきた自分の音楽には合わないのだ。流行っているって言うだけで、我慢して合わせる必要はないと思ってしまった。自分が納得しない音楽はやらない!という理屈とおなじ理屈だ。(笑)自分が納得しないと思うことは、行動も起こさない!そういうことである。

時代遅れで結構!目の前には荒野(こうや)が広がっているぞ~!!嵐が襲ってくるのか、野獣に喰われそうになるのか、わからないが、後ろを振り向いても荒野だったのだからいい。

今日も荒野に立ち尽くす自分なのである。

オリジナルソング「道」

音楽配信やっております。気に入ったらダウンロードいかがなものでしょう?作品を通して聴いていただくのが一番のお勧(すす)めです。CD販売もしています。

「ひまわり」音楽配信はじめました。

ミニアルバム「青森」の音楽配信、YUKIOストアでのオリジナルCD販売と、立て続けに行動を最近起こしたのですが、実はあともう一つあって、「ひまわり」というシングル曲の音楽配信も別に始めました。今回はこちらの話をさせていただければと思います。

「青森」に入っている5曲はダウンロードでしか全編聴けなくなっているのですが、「ひまわり」の方はストリーミングでも聴けるようになっています。ですのでスポティファイアップルミュージックラインミュージック、あるいはレコチョクでも、みなさんのお気に入りのストリーミングサイト上で聴けますので、ぜひ聴いてみませんか!?もちろん無料ですよ。ダウンロードもできます。

「ひまわり」をなぜ、「青森」とは別にストリーミング配信したかの理由をまず語らなければなりません。別にそんな大した理由もありませんが(笑)、配信を依頼しているtunecoreさんからなぜだかアルバム、シングル、動画を1年間配信無料サービスというメールが来たので、急いでアップしただけなのでした。(笑)

「青森」という作品はもう2,3年前に出来上がっていて、いずれは音楽配信したいと考えていたので、今回ちょうどいいや!と思いアルバム配信を決め、動画も1本無料ということだったので、「青森」はダウンロードだけなので、どうせ誰も聴いてくれないだろうと考え、1曲くらい全編聴いてもらうのもいいかと思い、急ぎ「青森」1曲目の「船」という曲の動画を制作しアップしたのでした。

そしてシングルの方はどうしようかと、いろいろと思いめぐらしたのですが、実は「青森」の次の作品、10何曲あるのですが、そちらももう出来上がっていて、いずれはCDを作って、ダウンロードだけの音楽配信を考えていたのですが、今回思い切ってその中の1曲をストリーミング配信してみようと決断したのでした。それが「ひまわり」という曲なのです。次の作品の1曲目に入っている唄です。

ダウンロードだけの強気の考えをなぜ撤回したかというと、簡単で、みなさん誰もダウンロードしてくれない、前回のようにオリジナルCDを買ってください!と、いくら強気な発言をしても、誰もそんなこと、耳をかしてはくれないのですよね。(笑)であるならば現実を直視しなければならないと思い、苦渋(くじゅう)の決断だったのですが、考えを改めたのでした。ただし、誰にも相手にされなくても自分の主張は最後まで通したいという気持ちは今も変わりはありませんし、事を重ねるごとに、あきらめずに、しつこくアピールしていきたいとは思っています。応援してください!できればアルバムで買ってね。(笑)

ミニアルバム「青森」はダウンロードのみ、「ひまわり」はストリーミングでも聴けるようにして、どういう数字が出て来るのか見てみようと思ったのでした。もはや音楽というものがストリーミングのサブスクリプション(定額)サービスにとって代わられるものなのか?どうなって行くのかはわかりませんが、ダウンロードのようにまとめて曲をアップするよりも、ストリーミングが主流となるのならば、ある程度頻繁(ひんぱん)に新しい曲をアップして、自分のアーティストページを更新していく方法の方が聴いてもらえる可能性が高いような気もするので、今回を機に毎月新しい曲をアップするというのも一つの手なのかなとも考えていたりなんかもします。

ただ、そんな毎月新しい曲をアップして無料で聴いてもらっても、長くは続かないだろうし、音楽配信業者がこうした考え方を煽(あお)っているだけのような気がしないでもありません。次に予定していた10数曲の作品を、1曲目から順番に、月ごとにアップして行って、1年間だけストリーミングで聴いてもらって、終了した後にCDを作ってもいいかな?とも思ったりもするのですが、それでも配信が終わるのは2年後くらいになるし、はたしてそれで合計でどれくらいの人が聴いてくれるのかも想像がつかないのです。それなりの配信料もかかったりするので、対価に見合ったものになるのだろうか?まあ、CDを制作するのに比べればかなり安価なのですが・・・。悩みどころなのでした。

ただ、言えることは、

今のままでは何も変わらない

ということです。

同じことばかりをやっていても仕方がない、、、発想を変えなきゃ、、、このブログを書いていく内に、なんだか、やってみようかなという気持ちも芽生えてきました。残りの自分の人生の時間を考えたら、やるしかない。

自分の心情ばかりを語ってしまいましたが、この「ひまわり」という唄の内容も語っておかなければなりません。この唄は前の家に引っ越して来た矢先に思いついた唄で、音楽構造的には前に創った私の作品に比べればすごく単純でわかりやすいです。ですので登録ジャンルをJ-popにしました。はたしてこの曲がJ-popかどうなのかはわかりませんが。(笑)ちなみに「青森」の方は演歌で登録してあります。(笑)

この曲を思いついた時に、何か”はじまり”の雰囲気を感じて、いずれ完成した場合は作品の1曲目にしたいとずっと無意識中で思って来ました。現実は上記の通り、まだ他人(ひと)の目には触れてませんが、私の次の作品の1曲目に落ち着いたので不思議な縁(えん)を感じたりします。

そして、井の頭公園で唄っていた時、家族がたまたま近くで聴いていて、「その曲はじめて聴いたけど、いいんじゃないの!」と言ってくれた曲でもあって、歌詞の内容は、生きることは辛いことばかりなのだけど、わずかな希望の灯さえあれば何とかなる、背中を丸めないで、日に向かって咲くひまわりのように背筋を伸ばして堂々と生きよう!という人生の応援歌になっています。コロナ禍前の、井の頭公園祭りでステージに上がって唄った歌でもあるのであります。(笑)

「ひまわり」ぜひ、聴いてみませんか! 音楽配信中です。

”藤の花”だった理由(わけ)

自分の創った曲に上下関係はない。あの曲が良くてあの曲が良くないなんて思わないのだが、心の中ではこの曲を創れたおかげで自分は救われただとかこの曲が創りたかったんだと思った記念碑的な作品がいくつかある。この曲を生みだしたことで今までの自分が変われたと思ったりして他の曲とはちょっと思い入れが違う唄だ。

どの曲だと具体的に曲名を上げたりはしないが、自分の中では他人に聞かせればいつか絶対にわかってくれると思っていたりなんかもする。絶対にだ。(笑)ところがユーチューブでアップしてみると一向にアクセス数が伸びない。それどころかこうした曲に限って誰も見てくれなかったりする。数字がずっと0(ゼロ)のままなのだ。(笑)

こんな経験もしているので、つい自分という存在はこの世からほとほとズレた存在なのだといじけてしまうのであった。自分はこの世には合わない・・・もう嫌だと・・・。(笑)いじけるだけじゃ何も問題は解決しないので、ここから何かを学ぼうと具体的にこの曲たちの何が世間一般の価値観とは違うのだろうかと自分なりに客観的に分析もするのである。

音楽的にはたぶん”テンション”が入っていたりするからだろうと思っている。”テンション”とはまた難しい音楽用語が出てきた。要はドミソ以外の不協和音のことを言うのだが自分ではこれは不協だとは思っていない。唄うのに必要な音なのだ。

日本の流行歌のヒット曲にテンションが入った曲というのはあるのだろうか?日本の曲を余り聴いて来なかったのでよくわからないが、ほとんど印象に無い。プロの作家の先生くらいであればテンションは当然知ってるはずで、なんで使わないのだろうか?それはたぶん売れないからなのだと思う。難し過ぎて誰も聴いてくれない→自分の作った音楽が売れない→収入が無くなる→生活に困る、こうした悪循環にはまりたくないのだと想像できる。では、なんで自分はそんなことわかっているのにテンションが入った曲を創ってしまうのか?それは

そう聞こえて来るから仕方がないんだ~!

と、言うしかない。(笑)自分の作ってきた曲のたぶん半分以上はテンションが入っていたりする。救いようがないじゃないか!(笑)そこで脳ミソのない馬鹿は馬鹿なりに考えた。唄をつくる創作活動で制限はできないが、プロモーション活動ではそうした曲は前面に出さず、もっとシンプルな曲でまずアピールすればいいじゃないかと思ってしまった次第である。”藤の花”という曲を今回シングルカットと言おうか作品”月”の中で唯一ストリーミングでも聴けるようにした理由はそこにある。

唄の進行はテンションなど出て来ず、いたってシンプルな構成になっているリズムを打ち込んだダンスナンバーとなっている。ユーチューブの動画では踊っているが、本当は体全体を撮りたかった・・・。しかし背景の無地(むじ)の白い生地(きじ)が小さくて撮影すると生活感が漂う家の余計な物が見えてしまい上半身だけになってしまった。次、撮影する時は広角レンズというものを買ってきて撮ってみたい気もするが、しかしそんなレンズを買う余裕がまだあるのだろうか?どうでもいいことをまた話してしまった・・・。

動画は置いておいて、音楽の話に戻ろう。今回の”月”という作品は今という時代を意識している作品にしたつもりである。この”藤の花”という曲以外にもいくつかそういう曲がある。打ち込み系の曲でキック(ドラムのキック)を中心としていて、プロのトラックメーカー※なる人たちはたぶん命がけでそのキックの音に磨きをかけるのだ。私もそこまで突き詰めたいと思ったりもしたのだが、そんなことやっていると時間がどれだけあっても足りなくなるので止(や)めた。(笑)今、現在の音楽事情というのは純粋な音楽とはまた別のテクノロジーの発展の隆盛というか、音楽とは関係のないところで動いている気がする。

※トラックメーカー 近年のテクノロジーの発展によって、一人で歌のバックトラック(日本語で言うカラオケ)をデジタルで請け負い作成するプロデューサーみたいな人。詳しくはウィキペディアで。

曲はたぶん20世紀にあったものと、現在21世紀に生まれたものとはほとんど変わりがないと思っている。進化しているのはテクノロジーで、これは音楽だけの話ではないのかもしれない(笑)。今回の作品は私なりのそうした今風(いまふう)目線でまとめ上げたのだ。

音楽に限らず、時代は常(つね)に刻一刻(こくいっこく)と動いている。現在流行(はや)っているものはいずれかは必ず廃(すた)れ始める。それが今、生きているということだ。天才だとか本物だと云われるものはそうした時空を超えたものなのかもしれない。

自分が本物だとは言わないが、そうした今という時代を今回”月”という作品で表現しようと努めてみたつもりだ。とりあえずは、まず”藤の花”を聴いてみないか?いい曲だよ!騙(だま)されたと思って・・・(笑)。(ストリーミング配信再開しました。2021.12月)作品「月」の中に入っているのでそちらで聴いてください。4曲目です。音楽配信

youtube”藤の花”きいてね!