そばの香り

だんだん暖かくなってきたので、またまたそばの話をしようと思う。暑くなるとどうしても麺類をすすりたくなる。

私は大好物は天ぷらそばと公言してはばからないそば大好き人間なのだが、実はそばの知識はほとんど持ち合わせていない。好きなだけであって、通じゃないのだ。

そんな私が飲み屋さんでそば好きを大々的に公表していると、隣の人からだったら十割が好きなのか?とか言われ、何ですかそれはと返すと、では二八が好きなの?と言われ、またまた何ですかそれはと返したところ、お前は馬鹿かと頭ごなしにののしられ、そば好きなのになんで十割や二八を知らないんだと散々説教された思い出がある。

そばに詳しくない人に説明すると、十割そばというのは100%そば粉だけで打ったもので、二八そばというのはそば粉8に対して小麦粉2の割り合いで打ったそばのことをいう。そば粉だけだと固まりづらく、つなぎとして小麦粉を昔は入れたらしいのだが、今は上質なそば粉がとれるのでそば粉だけでも固めて麺にできるようになったということで、江戸時代のそばはみんな二八だったとのこと。本当かどうかはわからないが、その時はそういう風に聞かされたのであった。

そんなことどうでもいいんだよ~!オレは天ぷらそばがスキなんだ~!

高岡の大和で食べたこの世の物とは思えない、天ぷらそばが食べたいだけなのに、この人は私にいろんなそばの知識を説教してくる。はあ・・・、そうですか・・・、そうだったんですね・・・、勉強になりました・・・。と、元来説教されやすいタイプなので、言われるままにガックリ肩を落として聞いていたのだが、腹の中では腸(ハラワタ)が煮えくり返っていた。(笑)

そばがスキなだけなのに、なんだこの言われようは?私の人格すべて否定されたような気がする。酔いが一気に冷めてしまい、その時から飲み屋で酔っ払った勢いでなんでも大声で言いたいことを言うのはやめるようなってしまった。(笑)

勝手な言い分だが、そば好きは、そば通であってはいけない。

ラーメン好きは、ラーメン通で全然かまわない。ラーメンを評論して、蘊蓄(ウンチク)を語るのが楽しいんじゃないか。あそこのチャーシューは薄いだとか、今日のスープは濃すぎるとか。それがラーメンの楽しみ方のような気がする。

ラーメンは恰好つけないといけない。けど、そばには蘊蓄(ウンチク)は要らない。有名なそば屋や美味しいそば屋を探して行くのもいいけど、基本はそこの通りや駅にあるそば屋の暖簾(のれん)をくぐってズ―ッズーッとすするものだ。

どこのそば屋にもほんわりとそばの香りがする。

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