老齢道

先日何年かぶりに新宿のタワーレコードに行った。駅前の楽器屋に寄ろうと思っていたところ、その楽器屋が無くなっていたからだ。大手の楽器屋が無くなっている~!と驚いてしまい、もしかしてタワーレコードも無いのでは?、確認のため見に行ったのだった。

さすがにタワーレコードはまだ存在していたのだが、フロアーは縮小され、棚に陳列されているCDの数もずいぶん少なくなっているような気がした。その代わりと言ってはなんだが、ビニールレコードの売り場が大きくなっているではないか。そうだよな、今の若い奴らはCDなんかよりも、ビニールレコードの方が新鮮に感じるのだろうなと思いつつ、レコードプレーヤーを買わないとレコードは聴けないし、わざわざ買ったりしているのだろうか?と不思議に思ってしまった。

自分が子供だった頃は、レコードをターンテーブルに乗せて針を落として音楽を聴くというのは当たり前で、レコードの音に比べCDの音にどうにも馴染めなくて、渋々聴いていたのがつい先日だったような気がするのだが、せっかくそのCDの音にもようやく慣れて来たと最近は感じ始めていたのに、そのCDがもはや売れなくなっているとは、、、もう時代の移り変わりの速さ、趨勢(すうせい)を感じるのだった。

ただ、自分から言わせてもらえるようであれば、時代の流れで仕方がないの一言(ひとこと)で片づけることは簡単で、潰(つぶ)れていた楽器屋もタワーレコードも自分達におごりがあったようも思えるのである。

楽器屋にはよく相談に行っていたのだが、商品そのものは高くて、ギターの弦のような消耗品などは、ネット通販で買った方がよほど安いのではなかろうか?と、ずっと疑問に感じていて、結局は私と同じような感じ方を周りもみんなそう思っていたのだ。だから潰れたのだろうと思っている。

タワーレコードの方も、自分が作ったCDを置いてもらおうと新宿はもとより全国の他の店舗にも電話をかけて交渉したのだが、取り次ぎでほとんど他人事のような感じで耳から耳へ流されてしまい、受け付けてもらえなかったこともあるし、極め付きはタワーレコード本部の販促チームがインディーズの音源を積極的にプロモーションするので、その資料をなんでもいいから送ってくれとネット上で気合の入ったページを作っていたので、そちらにも応募してみたのだが、応募が殺到し、もうしばらくお待ちくださいという自動メールが来て、結局断わりの返答が来たのは半年後くらいだったと思う。

音楽関係や大企業の振る舞いはおおよそいつもこんなものなのだが、タワーレコードの場合、もうCDも売れなくなってきて、なにか他の商売を考えなければ、自分たちの身が危ないという必死感が多少感じられたので、もう少し人間的な反応が返って来ると思っていたのだが、形だけで、まるっきりやる気がないと言おうか、本当に新しい音楽(自分の音楽を新しい音楽とここで自負するつもりはなく、あくまでビジネス上の言葉です。)を求めていると言うのならば、いくら応募が殺到しようがすべてチェックして、断るにしてもせめて1週間後くらいには返答を寄こせよ!と自分は思ってしまうのであった。応募したことすら忘れている半年後なんていうのは、私から言わせてみれば、ただ元々こいつらやる気が無かったとしか思えないのであった。

業界に名(な)を馳(は)せる企業に勤めていると、自分が何にもしなくても他人(ひと)が寄って来て仕事が発生する。それが当たり前だと思ってしまい、本来、人間の営(いとな)みがどこで行われているのか、世の中「平家物語」の冒頭のように諸行無常(しょぎょうむじょう)だということに、気づいてないのだ。

タワーレコードが今後どうなるのかはわからない。富士フイルムのように、ほとんどアナログカメラが淘汰され、駅の売店やコンビニでフイルムが置かれなくなったにもかかわらず、他の業務を開発してしぶとく生き残っている企業もあるだろうし。

そんなことより、そんなタワーレコードや楽器屋の心配をするより、最近の自分の身を心配することの方がよほど先決なのである。先日の、落陽の楽器屋やタワーレコードの姿を見ると、現在の自分の姿のようにも感じられ、身につまされる気がして、何とかしなければいけないのである。タワーレコードや楽器屋の社員であれば周りが助けてくれるのかもしれないが、自分にはどんなに歳をとって体力や頭の回転数が落ちようと、助けてくれる人間はいないのだ。どんなに苦しくても、生きている限りは

自分で道を切り開け!

「道」

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