サビぬき

先日、ひょんなことから有名なシャンソンの曲の譜面を渡すから、キーを半音下げたものを作ってくれないかと頼まれた。いや、そんな作業、自分では無しに、もっとそうした譜面に慣れてる人に頼んで下さいと最初断ったのだが、無理やり頼み込まれて、渋々引き受けざるを得なくなった。

その有名なシャンソンの曲は聴いたことはないのだが、作曲者の名前は私でもどこかで聞いたことがある、もう亡くなっていると思うが、超有名な人だ。コード進行を見ると、ものすごく複雑で、その作曲者の苦労がわかると言おうか、膨大な音楽の知識が無いとこんな曲作れないなと感心したのだが、反面、自分はこういうタイプの作曲者では無いなとも思ってしまった。

自分はいろいろなタイプの曲というか唄を創っていて、構造が似たような形になっている曲というのは一切ないと思っている。なぜこう思うのかと言ったら、リズムが曲ごとに違うからだ。ただし、曲の進行の構成に関しては、同じパターンの曲が10曲近くある。そのパターンというのは、AメロBメロ→AメロBメロ→AメロBメロ と、単純に3回繰り返して終わるというパターンだ。そうサビが無いのである。(笑)

特に若い頃、ボツにしていた曲の中にそうした進行のものがあって、だからボツにしていたのかもしれないが、この歳(とし)になってみれば、これでも十分に聴けると思っている。こうした進行を創りたくて創ったわけでは無いのだ。こうならざるを得ない、長い私の人生の格闘があって、悩み抜いたその結果なのである。

若い頃、イギリスのブリティッシュロックが好きだった。なぜかと言うと、アメリカンロックに比べて、進行がとても繊細で変化に富んでいたからだ。聴いている側を飽きさせないように計算されていて、ちゃんと起承転結(きしょうてんけつ)があり、夢中になったのだが、歳と共に聴かなくなった。

歳を重ねると、その起承転結させようとする作曲者の考えが、妙に小賢(こざか)しい小細工に感じられてしまって、だんだん体が受け付けなくなってしまったのである。自分も若い頃、曲を色々変化させ、こねくり回していたりもするのだが、こんなの何の意味も無い、学校で教えられる入れ知恵だと思ってしまい、一切、自分の頭の中に聞こえて来るものしか形に現わさないようになって来たのであった。(笑)

音楽は血を感じさせるのが一番!と、最近は思っていたりもする。

このように、自分の唄の中には装飾された音は一切省(はぶ)いている。ただしAメロBメロ3回繰り返しの中でも、できる限り同じことを繰り返さないように微妙に変化をつけたりもしている曲もあるのだが、ただ単に3回繰り返すだけになってしまっている曲もある。(笑)それでもいいのだ。頭にそうとしか聞こえて来ないのだ。変にサビをくっつけたり変化をつけようとすると余計醜(みにく)くなってしまう。

私の音楽が業界だけでなく巷(ちまた)の人からもまったく相手にされない原因は、こういう所にもあると思ってはいるのだが、こうした考え方をあらためようという気はさらさら無い。音楽の形はこうでなければいけないというのはウソだ。何のために音楽をやっているんだ?他人(ひと)なんて気まぐれなもので、ある作品が良いと言い買ってくれて、喜んで次の作品を持っていくと、怪訝(けげん)な顔をされもう要らないと言う。自分にとってみれば作品の特徴はまるっきり違うが、長い時間と手塩にかけてつくった何にも代えがたい作品たちなので、何が気に喰わないのかわからないのだが、何度もそういう目に会って来た。

そうした他人(ひと)たちの気まぐれな意見を聞いても、その他人(ひと)たちが責任をとってくれるわけでも何でもない。自分で自分のケツを拭(ふ)いて、これでいいと思えるものを創り続けるしかないのだ。

サビが無くてもいいじゃないか。そんな決まりきったワンパターンの曲をずっと聴いて来て何が楽しいのだ?頭の中の思考もそんな同じワンパターンになっているのではないの?と、こう訴えかけても世の中、空(むな)しく響くだけなのであるが、こういう星の下に生まれて来たのだから仕方がない。(笑)

今日も自分を信じて、声にならない唄を心の中で唄うだけだ。

「今」

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