黒鍵弾きのゴーシュ

さて、前回は久しぶりに自分の音楽(YUKIO音楽)を本格的に自己解説してしまったが、今回もう1本くらい書いておこう。不器用で楽器も上手くないし、譜面も読めないけど、馬鹿(ばか)じゃないぞ!(笑)何も考えずに曲を創って来たわけじゃないことを証明しないといけない。(笑)

今回、解説しようと思うのは「銀座モード」という曲だ。15曲入りギター弾き語り作品”YUKIO”の最後から2番目に入っている唄で、このブログでも前に簡単にこの曲の成り立ちとかを説明したこともあったと記憶しているが、今回音楽的に、もう少し掘り下げて説明しようと思う。

まず、この曲を創ろうとした動機をあらためてもう一度、振(ふ)り返(かえ)ると、若い頃、昔(笑)、横浜のジャズバーで友達と飲んでいた時に、店内のBGMでかかっていた曲が変に耳に残ってしまい、「この曲いいね!何て曲なのかな!?」と、つぶやいたところ、ジャズに詳しい友達が「銀座モードだよ、銀座モード!」と教えてくれたので、「そうか!日本人でもこんな素敵な曲を創れるんだ!」と妙に感動すると、友達が「何を馬鹿(ばか)なこと言ってるんだ!この曲は外国の曲だ、アメリカの!」と突っ込まれてしまい、「だって銀座モードっていう曲名なんだから、日本の曲じゃないのかよ!」と。切り返したのだが、「銀座モードじゃなくて、インザムード。グレン・ミラーの有名なジャズの※ビッグバンドが演奏しているスタンダード曲だよ!」と呆(あき)れ顔されてしまったのがきっかけだった。(笑)

※ビックバンド-大人数編成によるアンサンブル形態のバンド。詳しくはウイキペディア

なんだよ~、日本人の曲じゃないのかよ~、、、と思い、だったら自分で日本語のビッグバンド風のオリジナル曲を創ってやれと思い立ったのであった。帰りの電車の中で、”銀座モードにのって・・・”と最初のメロディーが思い立ち、家に帰って、当時、生ピアノが置いてあったので、酔いの醒(さ)めぬまま、鍵盤に向かって、そのメロディーを確めたのが、この曲のすべての始まりである。

時が過ぎて、30年。ようやくその完成形を、自分は耳にすることができた。ところどころでむずかしくて、何度諦(あきら)めようとしたことか・・・。その葛藤(かっとう)を今回語りたい。

その当時、家にあった生ピアノで確かめたメロディーというのは、実はすべて黒鍵(こっけん)だけで動くものであった。

黒鍵メロディー・・・

これをどう料理するのか?その当時、若い自分にはわからなかったので、後回しにしたのだが、黒鍵のメロディーと共にどうしてもこの曲の成り立ちでこだわったのはトニックのルートから見た6度(6th)あるいは13度(13th)の音だった。

ここから音楽的な解説をしたいと思う。(笑)

この曲のキーはG♭で黒鍵メロディーなのだ。G♭(♭ソ)からはじまる黒鍵をみると♭ソ、♭ラ、♭シ、♭レ、♭ミとなり、音程の度数を見ると、1、2、3,5、6となる。これが何を意味するかと言うと、4と7が抜けた音階なのである。所謂(いわゆる)、ヨナ抜き音階という奴だ。ではヨナ抜き音階というのはどういうものであるかと簡単に説明すると、要は、我々、日本人が古来から持っている、日本人が大好きな音階なのである。歌謡曲の演歌というのは、西洋の音楽技法上でヨナ抜き音階を歌ったものだと、乱暴な言い方をすればできるとも思う。

あるいは、向こうのクラシック音楽家の人たちからは黒鍵弾きというのは、中国音階と言われていたりもする。20世紀の音楽に最も影響を与えたと言われているストラビンスキーも元々は中央アジア出身なので、好んで黒鍵音階を使ったとか、何かのテレビでやっていた。また、谷村新司(たにむらしんじ。日本の有名歌手)の代表曲の「昴(すばる)」という曲も、中国でやたらと人気がある曲らしく、「昴(すばる)」も黒鍵だけのメロディーになっていると本人自身が語っていた。谷村新司が中国の音楽学校の校長先生になれるわけだ。(笑)ヨナ抜き音階というのは、東洋人の血が騒ぐ音階と言っていいのだ。西洋人にとってみれば、日本人も中国人も同じだからね。(笑)

ただ、ヨナ抜き黒鍵メロディーを、西洋のビッグバンド風にしないといけない・・・。自分の頭の中に聞こえて来たのは、メロディーと共に4ビートの※ウオーキングベースなのだ。黒鍵を弾くだけでは「昴(すばる)」になってしまう・・・、リズムが裏で刻(きざ)まれる形にしないと、ウオーキングベースが聞こえて来ない・・・。この壁を超えるのに何年もかかってしまったのだった。

※ウオーキングベース-ウォーキングベースは4分音符を使い歩いているようにベースラインを展開させていくジャズでよく使われるものになります。

解決方法はひとつ。すべてを4和音にすることだった。特にトニック上の主和音に♭7度(♭7th)の音を足すことで、魔法がかかったかのように、すべてが解決できた。トニックのルート(♭ソ)から見た♭ミの音は6度(6th)ではなく、13度(13th)の音なのである。この13度(13th)の音が無いと、この曲は死んでしまうのだ。この13度(13th)の音のおかげで、リズムが裏になり、ウオーキングベースが聞こえて来るのだ。

“銀座モード”ピアノ弾き語り版 左手でウオーキングベースを弾いている

ギター弾き語りでは、ウオーキングベースも一緒に弾く技術を持ち合わせていないので、表現できないのだが、ピアノ弾き語りでは左手でウオーキングベースを弾いているので、自分の頭の中に描いた理想に近い形になっている。そのピアノ弾き語りも、♭7度(♭7th)の音、ミなのだが、このミという白鍵(はっけん)一つをのぞいて、すべてこの曲は黒鍵で動くのであった。(ただし、経過音として白鍵が交じるところが1箇所だけある。)

なぜ、こんな芸当ができるかと言うと、この曲のコード進行は、最初G♭7(13)→E♭m7→A♭m7の繰り返しになっているのだが、A♭m7の3度の音、シという音だけは白鍵になるのだが(無視していい)、この音以外は、何にも考えなくて黒鍵を弾いても、すべて、そのコードの※テンションになっているからだ。この「銀座モード」という曲中で、ミという白鍵一つを押さえるだけで、あとは黒鍵どこを弾いても唄えるのである。(笑)ウオーキングベースもコード進行のルートだけ間違えなければ、黒鍵の上(うえ)行(い)ったり、下(した)行(い)ったり、自由に動くのであった。

※テンションコード 説明例-コード表記の中に「9」「11」「13」を含むもので、構成音中の高音部に特定の音が付加されたコードを指してそう呼ばれます。一般的な三和音や四和音に比べ構成音が増えることで響きが複雑になるため、それらの和音が持つ緊張感を総称してテンション(緊張)コードという名称によって分類されています。ちなみに、この”銀座モード”というこの曲のトニックコードはG♭7(13)なのだが13と相性がいい9を足して、G♭7(9,13)というコードで試しで唄うと、あら不思議、中国風に聞こえるのであった。日本の銀座から、中国の北京(ペキン)の下町に一瞬の内にトリップしたような感じになってしまうのだ。(笑)自分は日本人なので、やはり北京ではなくて銀座がいいと思い、テンションの9は外したのであった。(笑)ヨナ抜きは東洋風に聞こえるのである。(笑)

こんな自由な曲ないぞ!

と、思うのだが、誰も聴いてくれない。(笑)

先日、このギター弾き語りとピアノ弾き語りを合わせるような形で、最後、打ち込みなのだが大がかりなホーンセクションも入れてビッグバンド風の「銀座モード」最終形が完成したのであった。おーい!「銀座モード」よ、オマエはこんな形の曲だったのか~!もう何十年もかかって、会いたいと思ってきたが、ようやくオマエに会えたよ!けど死ぬ前に、オマエに出会えてよかった。死んでたら、オマエに出会えることもなかったのだから。。。感無量(かんむりょう)になってしまった。(笑)

ただ、この曲も誰にも聴かれず、自分がお墓に持って行くのだろうけどね。(笑)

けど、生きてる限りは、他人(ひと)に聴いてもらう努力をしなきゃ。アコギの弾き語りしかストリーミングで配信してないですが、聴いてみませんか!?録音したものは、メロディーがヨナ抜き音階なので、思わず美空ひばりになったような気分になり、かなり肩に力が入ってしまった唄い方になっているのですが、いい曲ですよ。気に入ったら買ってみませんか?お待ちしております。おしまい。

音楽配信中 ギター弾き語り”YUKIO”14曲目です。

”銀座モード”フルアコ弾き語り版ライブ

ミクソリディアン”魔法のほうき”

最近は自分の身(み)の上(うえ)の与太話(よたばなし)ばかりだったので、久しぶりに自分の音楽の話をしてみよう。このブログはYUKIO音楽のプロモーションのために書いているので、なにか気に入った内容でもあれば、私のオリジナル曲を聴いていただき、おもしろいと思ったら、ぜひお買い上げいかがなものでしょうか?お待ちしております。(笑)

さて、今回は私の「cocolo」というアルバム作品の10曲目に入っている”魔法のほうき”という唄の自己解説をしようと思うのだ。自分で自身の唄を自己解説しないといけないというのは、なかなか辛(つら)いと言うか、売れない歌手というのは、世間(せけん)に身(み)の置き場がないと言おうか、悲しいものがあるのだが、(笑)がんばって解説してみようと思う。

まず、音楽的に言うと、ズバリ!”魔法のほうき”はミクソリディアン一発で出来上がっているという曲なのである。ミクソリディアンという聞きなれない言葉が出て来た・・・。音楽をやらない方にとっては、ちょっと難しい話になるが、暫(しばら)く辛抱(しんぼう)いただいて、簡単に解説(かいせつ)すると、誰もが小学生の時、音楽の時間に最初に習う、ドレミファソラシドという音階があると思うのだが、ミクソリディアンというのは、そのソから始まる音階のことを言う。すなわち、ソラシドレミファソだ。

ドレミファソラシドの音の間を鍵盤(けんばん)で見てみると、ドとレ、ミ、そしてファソラシの間は全音、ミとファ、シとドの間は半音間隔(間に黒鍵をはさんでいない)になっている。ドレミファソラシドは全全半全全全半という音階なのだ。それに対してミクソリディアンはソラシドレミファソ、全全半全全半全になっていて後半2つが微妙に違っている。

この2つの音程差が違っているだけで、全然曲のイメージというのが違って来たりする。日本語の歌だと、ほとんどがドレミファソラシドが基本になっているのだが、世界は広くて、こうしたソラシドレミファソだけでなく、レからはじまる音階やミからはじまる音階の曲とかもあるのだ。

レからはじまる音階レミファソラシドレをドリアン、ミからはじまる音階ミファソラシドレミをフリジアン、ファからだとリディアン、ラからだとエオリアン、シからはロクリアンと呼ばれていて、これらの音階はドレミファソラシドとは微妙(びみょう)に違っていて、こうした音階を内包する曲はドレミファソラシドの曲調とは違って、なんだかちょっとエキゾチックな雰囲気が漂ってくるような曲になる。

ジャズではこうした音階を使うことをモード奏法と言っていて、モード奏法を最初にやったのはマイルス・デイビスと言われている。その代表曲は”ソーホワット”という曲で全編ドリアンで音が動いていて、自分が若い頃、マイルス・デイビスが好きだったので、そうした影響もあってか”魔法のほうき”はモードで出来上がっているのであった。(笑)ただしこちらはドリアンではなくてミクソリディアンになっている。

ミクソリディアンに関しては、ドリアンに比べて、みなさん知らない内に使っているという音階でもある。ここからはもう少し難しい話になってくるが、ドレミファソラシド上にできる(※1.)コード(和音)、C,Dm,Em,F,G,Am,Bm(♭5)の中で(※2.)基本3コードと呼ばれる(※3.)C(トニック)、F(サブドミナント)、G(ドミナント)の3つの内のG(ドミナント)で、その曲が(※4.)ダイアトニックで動いている場合、自然とそこはミクソリディアンで動いているからだ。

※1.
C-ド、ミ、ソ のことを言う(以下同じ)-Ⅰ
Dm-レ、ファ、ラ-Ⅱm
Em-ミ、ソ、シ-Ⅲm
F-ファ、ラ、ド-Ⅳ
G-ソ、シ、レ-Ⅴ
Am-ラ、ド、ミ-Ⅵm
Bm(♭5)-シ、レ、ファ-Ⅶm(♭5)
※2.
3コード-Ⅰ・Ⅳ・Ⅴのコードを特に主要三和音と呼びます 強いつながりがある
※3.
トニック-和名「主和音」。Ⅰ 強い安定感を持つ。
サブドミナント-和名「下属和音」。Ⅳ ドミナントほどではないが、不安定な響き。
ドミナント-和名「属和音」。Ⅴ 不安定な響きで、早くトニックに帰結したくなる。
※4.
ダイアトニック-ダイアトニックスケールのこと ここではドレミファソラシド 全全半全全全半 

”魔法のほうき”のミクソリディアンの使い方はそうでは無くて、(※5.)トニック上からすでにミクソリディアンを使っていて、曲の構成上、トニックとサブドミナント2つしかないのだが、トニックだろうがサブドミナントだろうが、唄の間(あいだ)中、ずっとミクソリディアンが動いて行くだけになっている。こんな曲なかなか無いぞ~。(笑)たぶん日本語の唄には無いと思う。(笑)なんでこんな誰にも見向きもされない唄創っちゃったんだろうな。(笑)

※5.
西洋音楽にはキーという概念(がいねん)があって、ピアノの鍵盤で”ドレミファソラシ”の間には黒鍵白鍵合わせて12種の音がありますが、それだけ分の高さのキーあるいは調があるということです。
”魔法のほうき”はキーがF(へ長調)となっていて、Fのダイアトニックスケールはファからはじまる全全半全全全半-ファソラ♭シドレミファなのですが(普通の曲は大体こうなっている)、ミクソリディアン全全半全全半全-ファソラ♭シドレ♭ミファで動いているということを言いたいわけです。(笑)
赤丸をつけたところがFミクソリディアン。”魔法のほうき”はこの音階上で動いている。

昔、ブルースバーでブルースはミクソリディアンだと言われたことがあるが、ちょっと違っているというか、確かに(※6.)トニック上で♭7thを黒人音楽のブルースは使うのだが、ブルースの真骨頂(しんこっちょう)は唄が3度と5度で微妙に下がるのが魅力なのであって、モードのミクソリディアンとは全然関係が無いと思っている。

※6.
黒人音楽のブルースは白人の西洋音楽の基本ドレミファソラシドで動いているわけではなく、”魔法のほうき”もトニックⅠ「主和音」上でミクソリディアンで動いているのでコードで言えばⅠ(♭7)-キーがC(ハ長調)であれば、ド(1度)、ミ(3度)、ソ(5度)、♭シ(♭7度)-となっていて、ブルースもトニックがⅠ(♭7)なので同じと言っていいのだが、ブルースの場合はミ(3度)とソ(5度)が落っこちるところに魅力があるとここでは言いたかったわけですね。(笑)説明が難しいな。理屈っぽい。女の子から嫌われそう・・・。(笑)

話がそれた。この曲は唄の部分は全編ミクソリディアンで動いて行くが、もうひとひねりしてあって、前奏部分だったか、唄が終わったあとの部分だったか、もう忘れてしまったが、どちらかで、ミクソリディアンとはまた違ったスケール(音階)を使っていたりもする。確かリディアンだったと思うが・・・。

音楽的な難しい話はここまでにしておいて、ここからは歌詞の説明をしようと思う。”魔法のほうき”の”ほうき”は実はダブルミーニング(二重の意味)になっていて、お掃除(そうじ)道具の”箒(ほうき)”と廃棄(はいき)する”放棄(ほうき)”の2つを重ねていて、最初どちらにしようかと迷ったのだが、決めかねて、ひらがなの”ほうき”にしたのであった。

曲を創っていると、自分の世界に閉じこもるので、だんだん目線がお高くなると言おうか、世界が自分中心で回っているような感覚になってくる。自分も含めて、そうした自称アーティストさん達を世の中でいっぱい見て来た。それを戒(いまし)めようと思って創った歌詞だ。

知らない内に創造主である自分という存在が特別のように思ってしまうのだ。歳と共に気づかない内に出て来る下っ腹(したっぱら)のように。(笑)それを阻止(そし)するにはどうすればいいのか?

それは、がんじがらめになったそうした思考すべてを”放棄(ほうき)”して、整理整頓もない汚くなった自分一人しかいない部屋(あるいは頭)を”箒(ほうき)”で綺麗に自身で汗をかいて掃除(そうじ)すればいいよと唄ったのであった。それが自分にとっては魔法なのだ。無いものねだりの高尚(こうしょう)な空想物を作るより、下世話なお隣さんの噂話をしているが、ちゃんと飯(めし)が喰えていることの方が、人間的だと言おうか、えらい気がするように歳(とし)と共に思えるようになったからであった。

やはり人間、どんなに優秀な理屈を机上(きじょう)でこねようと、他人(ひと)の陰口(かげぐち)を叩(たた)こうが何しようが、現場で汗をかいている奴が一番偉いのだ。だから、こうして世間から見向きもされないこの曲を、馬鹿にされようが、無視されようが、プライドを捨てて、自分は今日も恥ずかしげもなく自己解説するのであった。頭を下げて、営業しなきゃ。

”魔法のほうき”(「cocolo」10曲目です。)聴いてみませんか!?

”魔法のほうき”ダイジェスト

こちら下は、”魔法のほうき”ライブになっております。ダイジェストの方に比べて音のバランスはかなり悪いですが、全編聴けます。上の説明のどこかに少しでも理解できるものがあれば、あなたの心の中で何か新しい発見があるかもしれません!聴いてみませんか!?今回、難しかったので、鍵盤の図解もまじえて後記(こうき)してみました。この曲があなたに届くように、できるだけ簡単に説明しようと努力したつもりです。(笑)

”魔法のほうき”ライブ

ぜひ、聴いてみませんか!?そして気に入っていただけるようであれば、今風ではなく、格好悪い言い方ですけど買ってください。宜しくお願い致します。

音楽配信中。

フロイトが夢の中で聞いたメロディー

ある曲のミックス・マスタリング作業をやっていて完全に行き詰ってしまった。何をやっても上手(うま)くいかない。自分の思い描いた像がそこにあるのだが、届かないのだ。簡単に済むと思っていたはずが、もう1週間くらい停滞(ていたい)してしまった。頭の中ではドラマや映画のように次から次へと作業がはかどっていくのだが、現実は遅々(ちち)として進まない。(笑)しかしながら、こういうことはよくある話で、何度も経験して来ている。こういう時は一旦(いったん)現場を離(はな)れるに限る。

ということで、このブログに向かってしまった。(笑)さて、何を書こう?今日も窓からそそぐ外の日差しはまぶしいぞ!

最近は暖かくなったので、また読書を再開した。寒いと自分は読書しないのだ。(笑)なぜだかと言うと、寝る前に布団の上に横になって本を読んで、睡魔(すいま)が襲ってきたら、本を閉じ、灯(あか)りを消して寝るという習慣になっていて、寒い季節だと体が冷えちゃって、読む気が、つい、しなくなってしまうのだった。手がかじかみながら本を読むのも辛(つら)いよ~。(笑)暖房つけて読めばいいじゃないか!と言われてしまいそうだが、暖房つけて、布団(ふとん)にくるまって時間を過ごすと体が温(あたた)まりすぎちゃって、眠れなくなってしまうのだ。多少、寒いかなと思うくらいに布団に潜(もぐ)り込んで、体が温まって自然と寝てしまうというのが、自分にとってはベストで、布団がその日、干してあればさらに快適に眠れるのであった。(笑)

寝る前に読む本はまちまちなのだが、やはり内容が難しい本を読むほど眠気(ねむけ)が襲(おそ)ってくる速度も速くなる。(笑)※ダーウィンの「種の起源」を読んでいた時には、読み始めて10分もたたないうちに眠くなって、布団にくるまってあっという間に寝てしまうという期間が何ヶ月も続いた。(笑)早くこの本を読み終えようとするのだが、眠くなるのは早いし、そうした難しい本に限って内容も膨大(ぼうだい)にあって、「種の起源」も「上」、「下」の2巻に分かれていたりなんかして、読み終えるのに半年くらいかかったと記憶している。(笑)

※ダーウィン「種の起源」・・・詳しくはウイキペディア

最近また読み始めたのも、「種の起源」に負けず劣(おと)らず難しい本で、※フロイトの「夢判断」という文庫本を読んでいる。「夢判断」も「上」、「下」2巻に分かれていて膨大な量なのだが、実は1回読み終えていて、あまりにも内容が難しいので、もう1回読んでみるかと、再度読み返している途中なのであった。「下」巻の最後1/4くらいのところで、冬になり止(と)まっていたのだが、暖かくなったのでまた読書を再開させたのであった。

※フロイト「夢判断」・・・詳しくはウイキペディア

なんで、フロイトの「夢判断」なんて、こんな小難しい本を読み始めたかと言うと、私の「月」という作品の最後から2曲目に「メロディー」という曲があって、この曲は曲名どおり一つのメロディーだけを延々繰り返す仕掛けになっていて、そのメロディーというのは、実は自分が寝ている時に思い浮かんだメロディーで、その時に夢を見ていたかどうかはわからないのだが、なぜか起きた後も覚えていて、そのメロディーに歌詞をつけただけの曲になっている。そんな寝ている夢の中で、メロディーを作るという人為的(じんいてき)作業が本当に行われたのだろうか?と自分自身の心の中に、疑心暗鬼(ぎしんあんき)があって、じゃあ1回フロイトの「夢判断」を、文庫本が本屋に置いてあったので読んでみようかと手に取ったのであった。

読んでみると、案(あん)の定(じょう)むずかしい本で、何を言っているのかさっぱりわからない。ただ1回読んでわかったのは、夢というのはフロイトが言うに、その人の願望充足(がんぼうじゅうそく)らしい。

願望充足(がんぼうじゅうそく)・・・。

もう少し、こんな難しい訳語ではなくて、もっとわかりやすい言葉でもないのかよ!?とも思うのだが、検索してみると、

願望充足とは、願望を空想上で達成する心理状態のことです。 夢やヒステリー、神経症の症状、幻覚は象徴的な願望充足です。

と、ある。その人の願いや望みを空想上でかなえるために夢をみるのだという。そんな馬鹿(ばか)な!わけのわからない夢などいっぱいあるし、願望充足のはずはないじゃないか!?と、みなさん思われるかもしれないが、フロイトはそうした反論を、夢に表(あらわ)れる現象というのは、いろいろな二次加工(にじかこう)がされていて、真実はその奥に隠されていると主張して、ひとつひとつ証拠(しょうこ)を示して論破(ろんぱ)していくのであった。

また「夢判断」の特長として、「夢」という曖昧(あいまい)なものを、証拠を示して、論理(ろんり)立てて解明していこうとするところが、東洋人の私としては、この本がものすごく白人ぽいと言おうか、西洋文明を感じるのであった。

コロナ禍の東京オリンピックが開かれるかどうかは科学の証明がないといけないと、アメリカのバイデン大統領は表明しているが、「夢」の解明を、できるだけ客観的に、まるで科学に基づくかのように論を語(かた)るフロイトは、占いや運勢を信じる人たちが語るロマンチックな夢解釈とは、ちょっと違った思考回路を持っていて、はたしてこの考えが正しいのかどうなのかは今の自分にはわからないが、この本が世界中で読まれ、この本によって精神分析がおこなわれ、心の病(やまい)から救われた人たちもたくさんいたからこそ有名になったわけでもあるのだろうし、相当な部分で当たっているのだろう。

この本が出たのは100年前の20世紀初頭で、精神分析のもはや古典書物なのだと思うが、現在の精神分析とはもっと進んでいると言おうか、どのような論を展開(てんかい)させているのだろうか?たぶんもっと細分化(さいぶんか)されているのだろうな。もうこうした本を読むことはないのだろうが、ふと、そう思った。テレビのニュースで精神分析医が人は誰でも人生に一度は鬱(うつ)になる期間があるということがわかって来たと言っていた。もう、21世紀はすごい世の中なりそうだ。(笑)

ちなみに、この私の「メロディー」という曲の歌詞作成時に、最初は”喜びのメロディー”と”悲しみのメロディー”の2つ言葉を使っていたのだが、”悲しみのメロディー”は消して、”喜びのメロディー”に統一した。なぜだろう?自分でもわからない。

けど、夢の中で聞こえるメロディーは”悲しみ”であってはいけない、”喜び”であってほしい!と自分の心が願っている気がして、、、フロイトが言う”夢とは願望充足(がんぼうじゅうそく)である。”と言うのは、あながち間違いではない気が最近はなんとなくしている。

最後に、繰り返されるこの通り一遍(いっぺん)等(とう)のメロディーが終わって、想像外のラップが始まるという展開がこの曲には待ち受けていて、(笑)ぜひ、このラップも聴いてもらえればなと思っているのだが、誰も聴いてくれない。(笑)

tunecoreが、コロナ禍特別企画として3年間無料配信サービスをすると言うので、それを利用してこの曲をストリーミングでも配信している。配信時に、プロモーションの動画をどうしよう?と思い、ラップで最後”宇宙にもどる、もどるだけ~”と何度も繰り返しているので、ゆっくり宇宙が動く動画を作成してみたのだが、誰も見てくれない。(笑)確かに退屈な動画だ。(笑)

ただ、ユーチューブなんかを見ると単純な動作だけがある音楽動画に何万回の視聴がついていたりして、それを真似(まね)したつもりだったのだが、うまく行かない。やはりフォロワー数とかは裏に何かあるような気がするのだが・・・。それは置いておいて、

とりあえずは、この「メロデイー」という曲を聴いてみないかい?作品「月」の中、9曲目。あるいは、ストリーミングでも配信中です!気に入ったら買ってください。よろしくお願いします。

音楽配信

「メロディー」動画。星が実は徐々に動いて行くのであります。(笑)