音楽会を開こう

子供の頃から年末の紅白歌合戦を面白いと思って観たことがありませんでした。最近も視聴率が30%ぐらいあって昔は50%くらいの、大みそかの夜はどこの家庭もTVで観ていたお化け番組が好きではありませんでした。

それでよく自分で唄を創ってうたってるなと言われればその通りなのですが、演歌とか歌謡曲とか今で言うJポップとか何か私にとって気持ち悪く感じられて、その年のヒット曲を聴いていてもピンと来ないのです。

じゃあどんな唄がいいのかね?と問われると日本の民謡であれば好きで、私の田舎、五箇山(ごかやま)に伝わるこきりこ節(ぶし)とか花笠音頭(はながさおんど)とか、最近は北海道の江差追分(えさしおいわけ)が特にお気に入りです。

江差追分は 毎年全国大会が開かれていて

鴎の(アーソイ)鳴く音に(アーソイ)ふと目を(アーソイ)覚まし
(アーソイ ソイソイ)
あれが(アーソイ)蝦夷地の(アーソイ)山かいな

この短い歌詞を猛烈に喉(のど)のこぶしを回しながら船乗りの心情を表現していくのですが、自分にとってはこちらの世界観の方がぴったり来るのですよね。

日本の民謡には明治以降西洋音楽の理論を使って作曲された童謡や演歌と違ってド、ミ、ソというハーモニー(和音)がありません。そしてリズムが3拍子とか4拍子とかそういう概念もありません。

前から疑問に思っていることは、なぜ西洋音楽では譜面上で小節割(しょうせつわり)していくのでしょうか?そして歌もので4小節とか8小節とか循環させたりするのですが、実は私の唄の中には、5小節や7小節で循環する曲とかもあったりなんかして、そこらへんからまず今の世の中の音楽シーンから外れているのかもしれません。けど自分では間違ったことをやっているとは思ってなくて、これが自分の特長でもあると思っています。

「音楽会を開こう」という曲は同じメロディー部分を1、3コーラス目は5小節で繰り返し、2、4コーラス目を4小節で繰り返すという西洋音楽じゃ考えられない変な唄です。しかし自分にとっては自然に流れ出たもので決しておかしなものとは思っていません。小節で割るから変なので、小節を考えなければたぶん民謡と一緒でなにも問題はないと思ってます。

何百万あるいは何千万人が観る紅白歌合戦に出演できるとは思っていません。自分の場合は本当に手作りでここまでやって来ました。友達ももはやいないのですが、なんとか一人の人間だけでも振り向かせることができないかと頑張ってます。アナタを振り向かせたいのです。音楽配信

音楽会を開こう 親しい友達を呼んできて

楽しい音楽会を開こう みんなを呼んでこいよ

お天とう様は寝てるよ ちょっと鼻をつまんでこいよ

音楽会を開こう 親しい友達を呼んできて

さあ、さあ

幕が上がるぜ

準備は万全かい?

別に楽器が弾けなくても そんなことお構いなしなのさ

楽しい音楽会を開くんだ みんなを連れてきて

お天とう様は寝てるよ ちょっと鼻をつまんでこいよ

音楽会が始まるぜ友達 大勢呼んできて

さあ、さあ

夢物語の

始まり、始まり

ホーキング音楽を語る

先日ニュースでブラックホールが見つかったと大々的に報じられていましたが、何年か前に亡くなったホーキング博士がこの報道を聞いていたらどんなに喜んでいたでしょうか!今回は私の音楽とは関係のない宇宙の話をしてみたいです。

ホーキング博士の本に出会ったのは、博士が亡くなってから程なくしてゴールデンウイークに池尻のライブバーでリハーサルが終わったあと駅前の本屋さんでふと文庫本の棚から「ホーキング宇宙を語る」を取り上げた時でした。

確か難病で体が動かず、脳ミソだけで生きているイギリスの有名な宇宙物理の教授くらいにしか知らなかった私は、ニュースで博士が亡くなったということを何週間か前に聞かされていて、その記念でこの文庫本が出てると本の帯(おび)を見て気づき何となく手に取ったのでした。

最初の数ページを読んでホーキングさんはブラックホールの権威なんだと知り、ちょっと面白いなと思って文庫本だし安いから買ってみたのでした。ただ難しい話が書いてありそうなのでそんなに本の内容に期待していた訳ではないのです。

ところが家に帰って読んでみると、その内容が余りに面白くて立ちどころに夢中になってこの本を読んでしまいました。なんとかテレスのギリシア時代の宇宙論からはじまって、ガリレオの先見性、ニュートン物理学、そして現在の宇宙物理の基本になっているアインシュタインの相対性理論を中心にして、高校時代物理をまったく勉強せず試験で2点だったこともある素人の私でも何となくわかるくらいに、宇宙はどこからはじまってどうなっていくのかを分かりやすく解説してくれたのです。

すべては言葉で説明されていて、数式はたったひとつアインシュタインのE=mc2だけが書かれています。E(エネルギー)=m(質量)×c2(光速度の2乗)この数式ひとつだけとっても余りに観念的で頭の悪い私にはさっぱりピンと来ないのですが、この本を読んでわかったことは宇宙を知ることは自分を知ることでもあるということです。

宇宙の中に無数の銀河があり、その中に無数の太陽系があり、その中に無数の星があり、その無数の星の中のひとつが地球で、その地球の中の無数の生態系の中のひとつが自分なのです。

ホーキング博士は宇宙を解き明かすには相対性理論だけではなく、宇宙が構成されている最小のモノは何だ?という量子力学も関連づけなければいけないことも解説していて何も知らない私はなるほどと唸(うな)るばかりでした。

その解き明かすヒントにブラックホールがあるのでした。ブラックホールを解明することが宇宙を解き明かす鍵になる。しかしブラックホールは理論上では存在は証明されているのですが、実際に存在するというのは確かめようがなかったのです。

そのブラックホールが現実に存在することが証明された!しかし、なぜ光すらのみ込んでしまうブラックホールを撮影することができたのか?人は光の中で存在しているのでブラックホールなど見ることはできないはずじゃないか?ブラックホール発見のニュースを聞いて最初に思ったのはそうした疑問でした。しかし人間という生き物は頭を使うのですね。

新聞で今回の発見の特集を読むと、ブラックホール自体は人間には見えないのですが後ろからの光を当てれば、いわゆる後光が差す形で存在が確認できるということなのです。なるほど!自分にもこうした発想が欲しい。

「ホーキング宇宙を語る」の初版は1980年代頃と書かれてあったと思いますが、その当時は日本の小柴教授などがノーベル賞を受けたニュートリノの発見もまだで、本の中にはニュートリノが発見されれば大変な発見になるとも書いてあったし、そしていずれはブラックホールは発見されるだろうと予言しています。

今回その通りになった訳で、ホーキング博士の先見性には感服するばかり、買った本を二度読み直すことはほとんどないのですがこの本はあらためて読み直しました。それほど面白かったです。

ブラックホールに向かってホーキング博士に合掌(がっしょう)。音楽配信

夜の散歩道 桃園緑道

夜の桃園緑道

5月も今日で終わりだ。もう半袖(そで)でいいくらい暑い。湿気もだんだん上がってきた。もうしばらくすると梅雨が来る。どうも自分は音楽ライブをやる時は結構雨男(あめおとこ)のような気がする。なんだかんだ言って先日のライブの夜も雨が多少降っていた。天気予報だと晴れるはずだったのにチェッカーボード(ライブバー)に行くのに歩いて行くのに差しさわりがないほどに小雨が降っていた。

このように私は月1回定期的にやっている音楽ライブに実は歩いて通っている。電車で1駅なのだが何せ散歩好きなので何十分間かかけて歩いて行くことにしていて、途中、通る道が桃園緑道(ももぞのりょくどう)と言われる散歩道だ。

緑道ということで道の左右にはいろいろな植物が植えてある。春には桜、夏はヒマワリ、秋はコスモス、そして冬はなんだろう?シクラメンが咲いてたり、まあ、そんな感じで日本であまり見ない木花もあったりして雑多な自然が感じられる散歩道となっている。

一番最初にこの桃園緑道を歩いた時に、この道の先がどこにつながっているのだろうかと思い終点まで行ってみようと歩いた先が、昔、中央線から眺めていた阿佐ヶ谷のケヤキプールのところだった。チェッカーボードはこのプールのもう少し阿佐ヶ谷寄りにある。

西の終点が阿佐ヶ谷ケヤキプールだったので、今度は東の終点を知りたいと思いある日曜日の早朝いつもと違う逆方向に向かって歩いてみた。環七の歩道橋を渡ってしばらく行くと八百屋さんみたいなお店があり、更に行くと道の舗装が変わって赤レンガになっている。そこからは中野区の管轄になっている。

更に歩くが道は一向に終わりがなく、これ以上歩くと家に戻れなくなるなと思い、道を外れて中野駅に出てブロードウエイ手前のマックでハンバーガーの朝食セットを食べて帰ってきた覚えがある。

その後、地図で調べると桃園緑道の東の終点はなんと渋谷にまで行ってるらしいのだが行ったことがない。いつかその終点まで歩きたいとは思っている。

このように私にとってこの緑道を歩くことは小さな冒険になっていて、散歩することで小さな発見をすることが楽しみなのである。先に地図で調べてから散歩のコースを決めることはまずない。チェッカーボードもこんな私の人生の散歩道の途中のひとつの道草でもあるのかもしれない。

上の画像は先日ライブに行く途中に夜の桃園緑道を撮ったものである。真っ暗に写っているが実際はこんなに暗くはない。しかし夜は人通りも少なく結構怖い感じだ。女の人一人では夜はたぶん歩けない道だが昼は様々な人が犬の散歩などしたりして行き交わっている。画像のもう少し先の左側には今、ちょうど季節なのかアジサイの花々が咲いていた。

あめあめ ふれふれ かあさんが
じゃのめで おむかい うれしいな
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン  音楽配信