荻窪ラーメン食べたい。チュル、チュル、チュル。

しばらく私のオリジナルソングの本格的な解説をしてしまったので、今回はもう少し軽いネタで行こう!(笑)何度かこのブログでも取り上げたことはあるのだが、ラーメンについて書こうと思うのだ。ラーメンはもはや国民食と言おうか、今は街という街、どこに行っても50メートル歩けば、そこに何かのラーメン屋が建っていたりもする。

”人気ラーメン屋のBGMがビートルズかジャズである!”理論を何年か前のこのブログで確立した私ではあるが(笑)、私のオリジナル曲の中でラーメンが出て来る唄は3曲ある。ひとつは「いとしの花子ちゃん」という曲で、もうひとつは「チュウ!チュウ!チュウ!」という曲、そして3つめがラーメンという言葉は出て来ないのだが、”ひごもんず”という実際にあるラーメン屋さんで食べていた時に思いついた「ひごもんずとビートルズ」という曲だ。

その3曲でどのようにラーメンが扱われているのかと説明すれば、「いとしの花子ちゃん」では喧嘩(けんか)した貧乏主人公と花子ちゃんが安アパートでTV観ながらラーメンをすするという、2人が仲直りする手段に使われていたり(笑)、「チュウ!チュウ!チュウ!」では、ソーメンや、ソバ、うどんと共に麺類(めんるい)の夏の喉(のど)ごしを感じさせる”チュル~、チュル~、チュル~💛”という擬音語で表現していたりする。(笑)「ひごもんずとビートルズ」という曲は、なぜ最近のラーメン屋ではBGMにビートルズがかかっているのか!?上記”人気ラーメン屋のBGMがビートルズかジャズである!”理論を確立させるための基(もと)となった唄でもある。(笑)

このようにラーメンは日本の庶民の胃袋の味方である!と共に私にとってもかかせない食べ物なのだ。(笑)

今回そのラーメンの何を書こうかと思ったのは、いつも月何度か通う区民センターのピアノ室が荻窪(おぎくぼ 東京の街)にあって、その荻窪という街が実は東京醤油ラーメンの街でもあるからだ。(笑)昨日、ピアノ室の帰りに、久しぶりにその醤油ラーメンを食べて来たからであった。

これまでこのブログで個別の店名を出すことは、自分の唄の関係上、上の”ひごもんず”という荻窪の隣街にある西荻窪のラーメン屋と阿佐ヶ谷のクラシック音楽喫茶しか無かったのだが、今回やはり店名を出す方が、ラーメンを語っている感が出て、ラーメン好きな方もたくさんいると思うので敢えて出そうと思うのだ、その方が美味しそうにこの記事を楽しめると言おうか、そんな感じで進めたいと思う。(笑)

私が昨日行ったのは、”丸信(まるしん)”というお店で結構、荻窪のラーメン屋の中でも老舗の部類に入るのかもしれない。最近のラーメン屋事情というのがどういうものなのか私にはわからないのだが、昔からあるラーメン屋さんだ。久しぶりに入ってシンプルにラーメンだけを食べて帰って来た。私以外はみんな常連らしく、汁(つゆ)濃(こ)いめ、麺(めん)固め、ネギ抜いてとか勝手放題頼んでいた。(笑)普通のラーメンを頼む人はあまりいないらしく、厨房から「普通のラーメン?大盛や玉子入りじゃないの?」と二度ほど、女のたぶん若奥さんだと思われる人に確認している声が聞こえてきた。

出て来たラーメンはいたって荻窪風の普通の醤油ラーメン。(笑)ただ志那(しな)チクがこんな手の込んだやつだったかな?と久しぶりに行って思った。普通の醤油ラーメンと語ってしまったが、とんこつラーメン好きの人にとっては、荻窪の醤油ラーメンはまったく想像したラーメンとはちがう食い物らしく、結構ショックを受けて帰って行く人も見て来た。(笑)私自身も富山出身なので、ラーメンといえば塩ラーメンだったのだが、東京でこんなに醤油ラーメンがポピュラーなものだとは思っていなくて、今では当たり前のように家でインスタントラーメンでも食べるのだが、はじめて真っ黒い醤油ベースのラーメンを食べた時には驚いたものだった。

680円でお会計して出て来た。確か前は500円台で喰えて安いなと思った記憶があるのだが、今のご時世仕方がないのかなとも思ってしまった。680円だとまだ”春木屋(はるきや)”に比べて安いからだ。

そう、この”春木屋”というラーメン屋さんが荻窪醤油ラーメンの代表格なのだ。ラーメン1杯1000円近くする。ラーメンに1000円!ちょっと高くないか?と思われるかもしれないが、”春木屋”の前には昔ほどではないがいつも行列ができている。行列が好きでない自分は”春木屋”のラーメンを食べたことが無いといえばそんなことは無く、実は何度も平日昼間の空いている時間を狙って食べに行ったりするのだ。昨日もやっぱり”春木屋”に人が並んでいるので、”丸信”に方向転換したのだった。(笑)

”春木屋”の醤油スープは”丸信”以上に濃いもので、カツオの風味が効(き)いているのか?特に昔、最初に食べた時にスープの上にラードをかけているのか熱々(あつあつ)でとても美味しいと思った。志那チクも赤色で、当時、他のラーメン屋では見かけないものだった。ただ、時代と共に微妙にその時、その時で味が変わって来ている。味が落ちてしまったという気はないが、一番最初に食べた”春木屋”のラーメンが一番美味しかった。

この”丸信”、”春木屋”以外にも醤油ラーメンを売りにするお店が荻窪には何軒かある。昔、教会通りにあった”二葉(ふたば)”は無くなったと思ったら、西友の裏で移転営業していた。次、醤油ラーメンを喰う時はこのお店に来ようと、昨日”丸信”の帰りに思ってしまった。あと、”丸福(まるふく)”というラーメン屋もある。青梅街道沿いのまた別の同名の”丸福”は無くなってしまった。風の便りで、脱税して夜逃げしてしまったらしいと聞いた。昨日行った”丸信”は2代目で、先代に仕えた人が独立して、”なごみの湯”の奥で”菊池”というラーメン屋を構えている。いつか入ってみたい。”春木屋”の主人が終戦後、弟子で働いていた、荻窪駅のルミネと西友のビルに挟まれた所せまい2階で営業していた”漢珍亭(かんちんてい)”という中華料理屋と言おうかラーメン屋があった。そこでは何故かみんな醤油ラーメンでは無くて、味噌ラーメンと餃子(ぎょうざ)を食べていた。自分も真似して同じものを食べた。なんだか通(つう)になったような気がした。(笑)そんな”漢珍亭”も今は無い。

上記の話、どこからどこまでが噂で、どこからどこまでが真実なのかはわからない。(笑)聞いた話の出どころは秘密にしておく。(笑)けど、荻窪の醤油ラーメン屋に行くことは自分にとって、今風のラーメン屋に行くより、何か風情(ふぜい)を感じると言おうか、こうしたラーメン屋さんはみんなその地域に根付いたお店なのだ。”荻窪っ子”という言葉があるのかどうかはわからないが、そうした”荻窪っ子”が大事にしているお店と言おうか味なのだと思う。自分は”荻窪っ子”では無いのだけどね。(笑)

荻窪の醤油ラーメン屋さんだけではなくて、どこに行ってもその地方、地方の人に愛されるお店というのはたくさんある。自分とすれば、TV、雑誌やネットで取り上げられなくても、こうしたお店の雰囲気が味だけでなく一番好きだ。

最後にこのラーメン屋さんたちのウエブを貼っておこうと思う。ラーメン好きな方は東京にでてきた時に時間があれば、そんなTVに出るようなラーメン屋さんたちでは無いが、ぜひ寄ってみるのも楽しいと思う。ただウエブを持たないお店もあるんだよな。(笑)

春木屋 丸信(ウエブなし) 二葉 丸福(ウエブなし) 菊池(ウエブなし)

今回、ラーメンの話をしましたが、ぜひ私のラーメンオリジナルソングも聴いて下さい!気にいったらお買い上げいかがなものでしょうか?ラーメンより安いですよ。(笑)

いとしの花子ちゃん 「YUKIO PIANO」3曲目

チュウ!チュウ!チュウ! 「月」5曲目

ひごもんずとビートルズ 完成済みですが、まだ公開していません。ライブでは結構やってます。

「チュウ チュウ チュウ」 弾き語りライブ

答えは自分の心の中にある-食事をしようセレナーデ-

ここ3回ほど、自分が何を考え、感じたりしてオリジナルの音楽を制作して来たか、本格的に語ってしまった。(笑)こうなれば、もう1回くらい書いてもいいかと思い、次、どの曲にしよう?と頭の中を整理して、そうか!「食事をしようセレナーデ」という曲の構造を紹介しようと企んだのだったが、あらためて鍵盤の前に座ってこの曲を検証してみると、前から思っていたのだが自分自身もよくわからない点が多々あることに気づいた。(笑)

違う、もっと簡単な曲の説明をしようかなとも思ったのだが、音楽というのは、学校の成績というものでは無いと言おうか、理屈ではなく、そこに正解は無い!悩んでいる自分がいるだけで、そうした自分の正直な姿をさらすことが、やっぱり一番、自分の曲を聴いてもらう動機(どうき)づけになるのではなかろうかと思い至ったのであった。

前回語ったように、ローリングストーンズのキースリチャードのように100%自分が理解できる音楽しかやらないのと同じように、美空ひばりが昔、唄った「リンゴ追分」の曲の途中でいきなりわけのわからない奇数小節が飛び出して来るのも、また同じ音楽なのだから。

頭の中で、まず最初にこの「食事をしようセレナーデ」を音楽的に説明しようと考えた要因はツーファイブ・ツーファイブだった。ツーファイブをまず説明しなければいけないと思う。ツーファイブとは、調性音楽の西洋音楽で一般的な進行であり、最も原点になっている進行、Ⅳ(サブドミナント)→Ⅴ7(ドミナント)→Ⅰ(トニック)のⅣ(サブドミナント)にベースのⅡの音を追加した進行で、Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅰで、このⅡとⅤを取り、ツーファイブと呼ばれるジャズの最も基本進行となっている。

(楽器を演奏しない人や、ジャズに興味ない人ゴメンナサイ!今回もちょっと難しい話になってしまいました。これを最後に、しばらくはもう少し楽しい話をしようと思ってます。笑)

黒人にとってみれば、Ⅳ→Ⅴ7→Ⅰと行くよりもⅡm7→Ⅴ7→Ⅰと行った方が、自分の耳には自然に聞こえたのかもしれない。(笑)このⅡm7→Ⅴ7がジャズの基本だ。

そんなツーファイブジャズに革命を起こす人間も、ジャズは歴史があるので、出て来たりもする。それがジャズの大作曲家デュークエリントンなのか、その下で働いていた名前を忘れたが下請けの作曲家さんだったのかは詳しくないのでわからないが、どちらかがツーファイブ・ツーファイブという、それまで考えつかないコード進行での曲を創ったのであった。

ツーファイブ・ツーファイブとは名前の通り、ツーファイブとツーファイブを連続して続けるコード進行だ。なんだ!別に並べるだけなら誰でも考えつくじゃないか!と思われるかもしれないが、ツーファイブ・ツーファイブの本質は移調にある。曲の途中で調(スケール)が変わるのだ。こんな発想なかなかできない!頭の中でツーファイブ・ツーファイブと並べることは簡単だが、調(スケール)が移っているのに、さりげに唄うことができる!というのは音楽的には奇跡に近い!!なんで日本人はこういう発想ができないんだ!?とも凡人の私なんかは思ってしまうのだが、(笑)これが音楽というものである。(笑)

「食事をしようセレナーデ」は、このツーファイブ・ツーファイブを真似(まね)したつもりはなかったのだが、コード進行がDm7→G7→Em7→A7(DがⅡ、GがⅤ。EがⅡ、AがⅤ。のツーファイブ・ツーファイブ)になっていて、そこにテンションをかけた形になっている。知人のピアニストに”この曲、ツーファイブ・ツーファイブか!?”と指摘され初めて気づいたのであった。

気づいたのは良かったのだが、このDm7→G7→Em7→A7を自身で分析すると、上記で述べたようなデュークエリントンの曲(サテンドール)のように、調(スケール)が完全に移っていないのだ。どういうことなんだ!?自分が間違えていると思い、サテンドールと同じツーファイブ・ツーファイブの完全な移調で弾いたのだが、どこか違うのである。違う・・・・。この曲で自分が表現したいものではない。こう思ってしまったのであった。

そういえば、この「食事をしようセレナーデ」という曲はどこにキー(調)があるのかもわからないのである。おかしなもので、創った自分がわからないのだ。100%自分が理解できない曲はやらないとおぼしき世界のギタリスト、キースリチャードからは愛想をつかされそうだし、そんな曲を売ってるんじゃない!と、みなさんに怒られてしまいそうだが、自分の中では絶対にいい曲だという確信がある。ただ音楽的に説明できないだけだ。

「食事をしようセレナーデ」本文で音楽的解説をしているので、ここでは歌詞の内容を簡単に説明すると、男の一人暮らし、夜、寂しく窓の外の月をながめながら晩飯を食べ、元彼女との楽しい記憶を思い出すのであった。”なんでこうなってしまったんだ~!?”と、後悔先に立たず!(笑)ただ一人で気ままに食事をするのも楽しいもので、こうしたニュアンスも多少入れてたりします。(笑)

この曲だけでなく、音楽理論(自分が今まで読んで来た理論上のことを言っているだけで、自分が知らないだけなのかもしれないが)上、説明できない自分の曲は多々ある。(笑)いや、たぶん音楽学校に行くと、先生からまず”そこは違っている!正解はこうだ!!”と、手直しされることになるに違いないと思っている。ただ、そんな手直しされた曲を、創った自分が聞いても”この曲はもう死んでいる・・・。”と思うに違いない。

「食事をしようセレナーデ」は頭の中でどうしてもテンションが要ると言っているので、ここまで複雑なテンションを表現するにはピアノで表現するしかないと弾き語りで唄っていたのだが、先日、リズムも入れて、ギターの伴奏も添えたバンドバージョンを完成させたのであった。そのバンドバージョンのギターではサテンドールと同じツーファイブ・ツーファイブの移調スケールで弾いているのだが、ピアノの方は相変わらず微妙にずれたテンションコードの方を弾いていることに今日気づいてしまった。

ただ鍵盤の前で検証してみると、両方重なっていても自分の頭の中では全然おかしくないのである。こちらの方が正しいと信じるしかもう道はないのだ。自分の人生にとって、生きる指標は、考える自分がいて、そんな先生や師匠と呼ばれる人たちから教えを乞うことでは無いのだ。ただ自分の考えが正しいということを客観的に証明できないだけだ。(笑)

そういえば、この「食事をしようセレナーデ」を自分で聴くと、セロニアス・モンクを思い出すのである。世界のジャズピアニストと自分の曲を一緒にしてはいけないのだろうが、モンクは有名になった後でも、音楽学校に通っていたということを本屋で立ち読みして知った。それだけ自分の曲でまだわけがわからないと思っていたところがあったから通っていたに違いない!と想像したのだが、私が大好きな「ラウンドミッドナイト」(モンクの代表曲)という曲は、たぶん彼がそんな音楽学校に行く前にすでに作曲されていたに違いないと信じるのであった。

音楽配信中。「食事をしようセレナ―デ」聴いてみませんか!?「YUKIO PIANO」4曲目です。いい曲です!!気に入ったらお買い上げいかがなものでしょうか?ぜひ!!聴いて下さい。

「食事をしようセレナーデ」ライブ。確か、緊張のため、かなり間違えてピアノを弾いていたと思うのですが、そんなミス・トーンもこの曲の魅力です。相変わらず、下手くそなピアノです。(笑)

キミは#11thを聞けるか!?-ブラボー運命曲-

ローリングストーンズというバンドにキースリチャードというギタリストがいる。もはやこの時代、ローリングストーンズを知らないという人もたくさんいると思うので、簡単に説明すると、50年前ビートルズと人気を2分したライバルバンドで、ビートルズは人気絶頂の中、あっと言う間に解散したのに対して、ローリングストーンズはいまだに現役で走り続ける世界のトップバンドに君臨している。メンバーはみんな80歳ちかいのだろうが、ボーカルのミックジャガーなんかは、新しい奥さんとの間に子供をもうけたというニュースも流れたりして、夜の生活も盛んのようで、衰えを知らないバンドなのだ。(笑)

このストーンズの何百もある曲を、ミックと共に創ってきたのがキースリチャードなのである。私も小さい頃からビートルズというよりも、黒人音楽のノリに近いローリングストーンズの曲の方を好んで聴いていたりして、キースは子供の頃から憧(あこが)れの存在だ。ただ、バンド初期から中期の頃の曲をよく聴いたのだが、それ以降あまり聴かなくなってしまった。なんだかワンパターンだからだ。

このワンパターンの黒いロックンロールが良いんじゃないか!と、巷(ちまた)にたくさんいるストーンズ・ファンに怒られてしまいそうだが、やはりストーンズの音楽を愉(たの)しむには、ヒット曲をまとめたベスト盤を聴くのが、私にとっては一番よろしい。(笑)

そんなストーンズに対してというか、キースリチャードに対して前からずっと疑問に思っていたことがある。上の感想と同じなのだが、なんでこんなワンパターンの曲ばかりをやるのだろうか?と。何十年も同じことをやって来て、自分たちは飽きないのかな?と思ったりもして、ミックジャガーの方はストーンズで出来ないことを、ソロの方で発散しているみたいだが、キースの方はソロの方でも一貫してシンプルなブルースやレゲエに影響を受けた曲をやり続けている。ブルースマンと呼ばれる人達は、みんなそうなのかもしれないが・・・。

ただ、もう50年間も世界のトップを走り続けて来たギタリストである。ローリングストーンズがツアーを組めば、世界でどれくらいのお金が動くのか想像すらできない、ものすごいプレッシャーの中で生きて来た人なので、頭が悪いはずがない!もっと今風の派手な曲をやってもいいのに!と、思うのだが、やらない。(笑)add9thなんかいれて、もっと洒落た曲でもやればいいのに!キースくらいの才能であればいくらでも創れるだろうと思うのだが、あいかわらず、黒いロックンロール。(笑)

私が思うに、まず第一に、今まで自分たちの音楽を愛し続けてくれたファンに向けてキースは演奏するのだ。ファンの期待を裏切ってはいけない!ファンに応(こた)えないといけない。それがプロの演奏家たる務めだ!!と。

そして音楽的には、ここからが今回の本題なのだが、キースは自分が100%理解できる音楽しか手を出さないのだ。80%~90%わかっていても、曖昧(あいまい)な部分が少しでも頭にあれば、それはやらない。add9thを加えたコードで、いくらでも曲を創れるのだろうが、完ぺきにその曲を自分の肉体化することができない限りはやらないのだ。自分が100%できると思ったことしかやらないのである。そこが、ローリングストーンズがもう何十年間も世界の現役のトップバンドでい続けられる理由なのだと思う。偉(えら)そうに私の勝手な憶測(おくそく)で述べてしまった。(笑)

そう、ローリングストーンズの曲にはテンションが存在しないのだ。たぶんキースはテンションのことはそれなりにわかっているはずだが、100%確信が持てない限りは、そんな曲は要(い)らないのだ。プロ中のプロの演奏家なのである。

なんでこんなことを語ったかというと、前回テンションコードの話をしたので、今回、もう少しこのテンションについて掘り下げて行こうと思ったのであった。

コードにテンションをつけると、つけないとでは、音楽の世界がまるっきり違ってきて、亡くなってしまった、日本のカリスマ・ロックンローラー、忌野清志郎(いまわのきよしろう)も、売れない若い頃は9thやディミニッシュなんかを使った曲を創っていたのだが、さっぱり売れなくて、テンションを使うのは止(や)めてしまったと自伝で語っていた。それほど、テンション1つを入れることによって、曲の中の構造が複雑に動くようになって来るのだ。

自分はテンションのことをわかっているというつもりは更々(さらさら)無いのだが、いままで創った曲にはテンションコードがついた曲がざらにある。なんでそんな難しいコードをつけるのかと問われても、そう聞こえて来たから仕方がないじゃないか~!と言うほかなく、意識的に曲を難しくしようという気もないのである。できれば簡潔に!と言おうか、できる限り簡潔に!にしようと思って、余計な贅肉(ぜいにく)を削(けず)りに、削って、この様(ざま)である。(笑)テンションには苦労を散々(さんざん)かけられてきた。(笑)

そんな私が語る、前回に続いてのテンション話にお付き合い願いたい。(笑)前回は「銀座モード」というオリジナルソングを紹介したが、今回は「ブラボー運命曲」というピアノ弾き語り作品「YUKIO PIANO」7曲目に入っている唄だ。

「銀座モード」の回では、9th,11th,13thという音を含むテンションコードを紹介したのだが、実はテンションの種類はまだ他にもあって、この9th,11th,13thに♭(フラット)や♯(シャープ)をつけた♭9th,#9th,#11th,♭13thという別のテンション音がある。こうしたテンション音をオルタードテンションと言って、オルタードテンションばかりを使ったオルタードスケールなんてものまで音楽理論上では存在する。また、ややこしくなってきたな~。(笑)

自分の曲の中には、このオルタードテンションを使った曲もあったりするのだが、さすがにオルタードスケールを使う曲は無い。(笑)ジャズの中にはあるのだろうけど、一度、オルタードスケールを使った歌ものにお目にかかってみたいとは思っている。(笑)

今回紹介する「ブラボー運命曲」は、このオルタードテンション#11thを使った曲なのである。と言おうか、#11thを使わないと唄が成立しないと言ってしまった方がいいかもしれない。

他人(ひと)のウエブから無断で取って来てしまったが、上の図がキーがC(ハ長調)でのテンション早見表である。この表を拝借した”ベースの初心者”さんのウエブとてもわかり易いのでみなさんも見て下さいね!!ベース弾きたい方はぜひ!こちらになります。https://bass-beginner.com/index.html


この曲のヒントになったのは、Pファンクと言われている独特のファンクのリズムをもったパーラメントというバンドの曲で、もう曲名を忘れてしまったが、当時どっぷりとハマっていてよく聴いたのだった。ベースラインが独特で、「ブラボー運命曲」の方でも、確か同じベースラインを使っている。

ただ私の「ブラボー運命曲」の方ではそのベースライン(3音しか無いのだが)と唄がユニゾン、要は、唄とベースが同じメロディーになっていて、このままでは余りに奇妙で曲としては成立しないのだが、この#11thが奇跡を起こすのである。(笑)

当時、ピアノで弾いて、間違った音を出してしまったと思い、この#11thの音を弾かないようにしていたのだが、この音を省略すると完全に曲が崩壊してしまうのである。(9、13)thコード上での、ユニゾンの唄とベースが気持ち悪い。(笑)

何年もこの唄を封印(ふういん)してきたのだが、心を澄(す)ますと、やはりこの#11thの音を入れることにより、ベースラインも自然に動くようになることに気づき、なんとかこの曲を完成させることができたのであった。本当に、この曲を完成させるまで、何度溺(おぼ)れそうになったことか!!(笑)他の曲もそうだけどな・・・。(笑)

#11thは不協ではない!!

こう気づいてしまったのであった。(笑)

#11thの音は上の早見表を見てもらえばわかるように、そのコードのルートから3全音で、トライトーンの音でもある。”トライトーン”を検索してみるとウイキペディアでは”悪魔の音”であり、不協和音の中でも最も響きの悪い不快なものとされ、積極的に使われるようになったのはバロック期以降と書いてある。また♭(フラット)5thの音でもあり、黒人ブルースを演奏するブルーノートスケールでもこの音は外せない音でもある。

そういえば、ローリングストーンズの代表曲で”悪魔を憐れむ歌”というヒット曲があった。キースリチャードはこの曲で♭(フラット)5thの音を鳴らしているのだろうか?自分は耳が悪いのでよくわからない。(笑)

けど、自分はこのブログを最後まで読んでくれているキミに向かって自信をもって問(と)うことができる、

キミは#11thを聞けるか!?

と。(笑)

ブラボー運命曲」-“YUKIO PIANO”7曲目。音楽配信中です。ぜひ気に入ったらお買い上げいかがなものでしょうか?

「ブラボー運命曲」ダイジェスト